重度訪問介護と介護保険の違いは?対象・申請・費用をやさしく解説

重度訪問介護は「介護」という言葉が入っているため、介護保険サービスの一種だと思われがちです。しかし実際には、障害者総合支援法にもとづく障がい福祉サービスで、介護保険とはしくみそのものが異なります。

この記事では、はじめて重度訪問介護を検討するクライアントとご家族に向けて、障がい福祉サービスと介護保険サービスの違いを「対象者・申請・費用」の3つの角度から整理します。あわせて、両者を混同しやすいポイントもまとめます。サービスの概要やご相談の窓口は重度訪問介護のサービス案内にまとめていますので、まず全体像を知りたい方はそちらもご覧ください。

01

対象者が違う ― 誰が使えるサービスか

重度訪問介護は障害者総合支援法にもとづく障がい福祉サービス(介護給付)の一つで、介護保険とは別の制度です。介護保険のメニューに重度訪問介護はないため、「介護保険で重度訪問介護を使う」ことはできません。

重度訪問介護が含まれる障がい福祉サービスと介護保険サービスは、提供する支援に一部重なりがあるため混同されがちですが、根拠となる法律も、支援の対象となる方も異なります。まずはそれぞれが誰を対象にしているのかを確認しましょう。

障がい福祉サービス(重度訪問介護)の対象

障がい福祉サービスは、その名のとおり障がいのあるクライアントを対象に、障害者総合支援法にもとづいて提供されます。重度訪問介護が想定しているのは、次のような方です。

  • 重度の肢体不自由がある方
  • 重度の知的障がい・精神障がいにより行動上著しい困難があり、常に介護を必要とする方

重度訪問介護は、このうち障害支援区分4以上の認定を受けた方が利用の対象になります。障がい福祉サービスには、日常生活の困りごとを介護という形で支える「介護給付」と、自立した生活や就労を支える「訓練等給付」があり、重度訪問介護は介護給付に位置づけられます。

介護保険サービスの対象

介護保険サービスは、介護保険制度にもとづいて提供されるサービスの総称です。原因を問わず要介護(要支援)認定を受けた65歳以上の方(第1号被保険者)と、40〜64歳で加齢に伴う特定疾病(末期がん、脳血管疾患、脊髄小脳変性症など)を原因として要介護認定を受けた方(第2号被保険者)が対象になります。訪問型のほか、通所型や入所型など、状態や生活環境に合わせて幅広いサービスから選べます。

02

申請の窓口と流れが違う

障がい福祉サービスは市区町村の障がい福祉窓口、介護保険は地域包括支援センターと介護保険の窓口が入口です。制度が別のため、申請先も関わる機関も分かれています。

重度訪問介護が含まれる障がい福祉サービスと、介護保険サービスは、制度上まったく別の取り扱いです。そのため、申請する窓口や、手続きに関わる機関も異なります。

障がい福祉サービス(重度訪問介護)の申請

まず、お住まいの市区町村の障がい福祉窓口に相談し、障害支援区分の認定を受けるための手続きを行います。障害支援区分は区分1から区分6までの6段階に分かれ、区分によって利用できるサービスの内容や量が決まります。かかりつけ医の意見書や、自宅を訪問してのアセスメントなどをふまえて区分が決まり、特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案をもとに、利用量が決定されます。

介護保険サービスの申請

まず、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、その後、市区町村の介護保険の担当窓口へ申請します。主治医の意見書や認定調査員による自宅でのアセスメントを経て、介護度が決まります。介護度は非該当・要支援1〜2・要介護1〜5に区分され、実際にどの程度のサービスを利用するかは、ケアマネジャーが作成するケアプランをもとに、各サービス事業者との相談で決まります。

03

費用の考え方が違う

障がい福祉サービスは世帯の課税状況で上限が決まる「応能負担」、介護保険は所得に応じて自己負担の割合が変わるしくみです。具体的な金額は制度改定や世帯状況で変わるため、最新の負担額は窓口で確認します。

日常生活に介護が欠かせないクライアントにとって、毎月の自己負担はもっとも気になる部分の一つです。ここでは金額そのものではなく、費用が決まる「しくみ」の違いを整理します。

障がい福祉サービスの費用のしくみ

障がい福祉サービスは、世帯の課税状況に応じて1か月あたりの負担の上限が決まる「応能負担」の考え方が基本です。上限の区分は課税状況によって分かれ、生活保護世帯や市町村民税が非課税の世帯などは、負担が軽くなるよう配慮されています。

介護保険サービスの費用のしくみ

介護保険サービスは、利用したサービス費用に応じて自己負担が生じ、所得に応じて自己負担の割合が変わります。自己負担が高額になり、世帯の状況に応じた上限を超えた分については、申請することで「高額介護サービス費」として払い戻しを受けられるしくみもあります。

具体的な負担額・上限額・自己負担の割合は、制度改定や個々の世帯状況によって変わります。金額の確認は、障がい福祉サービスは市区町村の障がい福祉窓口、介護保険は地域包括支援センターや介護保険の窓口で行ってください。
04

「重度訪問介護=介護保険」ではない ― 混同に注意

「介護」という名称でも、重度訪問介護は障がい福祉サービスの介護給付です。65歳以降は介護保険が優先されますが、重度訪問介護は介護保険にないため、継続して利用できる場合があります。

「介護」という名称から介護保険の一種と誤解されやすいですが、重度訪問介護は障がい福祉サービスに含まれる介護給付の一つです。対象者・申請窓口・費用のしくみが、介護保険とは異なります。利用を検討する際は、まずどちらの制度に当てはまるのかを確認しておくと安心です。

なお、障がい福祉サービスを利用してきた方が65歳を迎えると、介護保険が優先されるのが基本です。ただし重度訪問介護は介護保険にはないサービスのため、介護保険では対応できない部分について、障がい福祉サービスとして継続して利用できる場合があります。個別の可否は市区町村が判断するため、65歳が近い場合は早めに窓口へ相談しておくとよいでしょう。

重度訪問介護の対象や制度の全体像は、重度訪問介護とは?でも詳しく整理しています。あわせてご確認ください。

重度訪問介護のサービス内容・ご相談

ホームケア土屋は、重い障がいのある方の在宅生活を24時間365日支える重度訪問介護を、全国で提供しています。制度の使い方やサービスの内容は、こちらからご確認いただけます。

重度訪問介護のサービス内容を見る
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次