ALSでも入居可能な介護施設はあるの?ALSと向き合うための選択肢とは

ALSでも入居可能な介護施設はあるの?ALSと向き合うための選択肢とは

身体を思い通りに動かすことができなくなり、筋肉が徐々に萎縮してしまう難病が、ALS(筋萎縮性側索硬化症)です。

はじめに症状が出現する部位は手・足・舌など様々ですが、病気が進行するとともに肢体・腹筋や背筋・口周りの筋肉・のどの筋肉に影響が出現し、自発的な呼吸をすることができなくなります。

そのためALSのクライアントは身体的介護に加えて、人工呼吸器や経管栄養の使用に伴う医療的ケアが必要になってきます。

家族の事情や症状の悪化が見られた場合、24時間体制での介護が必要なALSのクライアントでも入居可能な介護施設はあるのでしょうか。

今回の記事ではALSの介護と向き合う選択肢を、入居可能な介護施設も含めてご紹介させていただきます。

目次

ALS介護の難しさ

ALSは身体を動かすように指示を出す神経である運動ニューロンが正常に機能しなくなり、身体が動かしにくくなる病気です。

筋肉そのものの病気ではなく、神経の異常によって身体を動かせなくなることから筋肉が瘦せ細ることが分かっていますが、詳しい発症の原因については解明されていません。

また肢体・腹筋や背筋・口周りの筋肉・のどの筋肉に症状が出現する傾向にありますが、目の筋肉や臓器、皮膚の間隔、認知機能などには影響がなく、痛覚や思考は正常なままです。

ALSの発症後は麻痺の進行に伴い、食事・排泄・着替え・歩行・入浴といった身体介護が必要になります。

筋力や身体機能の急速な低下を防ぐためにも、麻痺のレベルに合わせたサポートを行っていく必要があります。

そのため介護や見守りに時間を要してしまい、特に家族が在宅介護を担う場合は時間的な拘束、そして肉体的な疲労を苦に感じる方が多くいらっしゃいます。

ALSの進行を遅らせるために自立をサポートする介護を提供したり、薬を飲んだりすることはできますが、ALSを完治させる薬や方法は見つかっておらず、徐々に症状が全身に広がっていきます。

その過程で先の見えない介護に追いつめられてしまい、限界を感じているという家族の声も寄せられています。

ALSのクライアントが必要とする医療的ケア

また全身の筋肉にALSの症状が拡大していくにつれて、呼吸管理と栄養管理が必要になるという特徴があります。

これはのどの筋肉や口周りの筋肉に萎縮が及ぶことによるもので、症状が進行してからおおよそ2~5年程度が経過すると、人工呼吸器や経管栄養に頼らねば、ALSのクライアントは生きていくことができません。

そのため気管切開による人工呼吸器の使用や経管栄養の送管が完了して以降は、24時間体制で医療デバイスも含めてクライアントの様子に目を配らなくてはいけません。

ALSのクライアントが利用可能な介護サービス

ALSは指定難病に認定されていますので、40歳以上の方で   ALSに罹患している方は、介護保険制度を利用して公的な介護サービスを利用することが可能です。

まず初期の段階で利用する方が多い介護サービスとしては、訪問介護やデイサービスになってきます。

人工呼吸器や経管栄養の必要がないうちは訪問介護やデイサービスを利用するハードルは低いのですが、医療的ケアが必要な段階まで症状が進行してしまうと、受け入れが不可になるデイサービスもあります。

そのため特にデイサービスに関しては、利用前にALSクライアントの受け入れ実績の有無や、受け入れが可能なのかについてしっかりと事業者側との話し合いの機会を持つとよさそうです。

ALSが入居可能な介護施設

在宅介護の限界が近づくと次の段階として、介護施設への入居を検討される方も多いと思います。

一般的に入居型の介護施設は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅が選択肢として挙げられますが、ALSクライアントの場合は24時間体制での喀痰吸引を初めとする医療的ケアが受けられる環境、具体的には24時間体制で看護師が常駐しているタイプの介護施設を選択する必要があります。

特に「終の棲家」という観点からALSが入居可能な介護施設は、介護医療院もしくは医療機関と連携した介護付き有料老人ホームになります。

どちらも非常に倍率が高く、特に医療機関と連携した介護付き有料老人ホームの場合は民営となりますので、入居金も含めると高額な支払いが必要になることもしばしばです。

いずれの施設も非常に人気が高く、地域によってはキャンセル待ちなどが発生しているケースも報告されていますので、ALSの診断が下りた段階で、地域にある将来的に入居可能な介護施設の見学や問い合わせを行っておくと安心です。

自宅で長時間介護サービスを利用するという選択肢

また在宅でのALSクライアントに対する介護が限界を迎えたときに、ALSが入居可能な介護施設以外の選択肢となるのが重度訪問介護です。

重度訪問介護は、重度の肢体不自由や精神的・知的障害を抱えるクライアントに対して24時間365日体制で介護を提供することのできる障害福祉制度です。

見守りも含めた長時間の介護を途切れることなく利用することが可能ですので、常時の介護を必要としているALSのクライアントからの需要が非常に高いサービスです。

重度訪問介護の利用

重度訪問介護は2006年より現在の名称でのサービス提供が開始されていますが、まだまだ認知度が低いためにケアマネージャーから紹介されなかったり、自治体から選択肢として案内されないということもあります。

ALSの進行する症状にお悩みの方は、47都道府県すべてで重度訪問介護の事業所を展開しているホームケア土屋までお気軽にお問い合わせください。

ALSでも入居可能な介護施設探しと同時に、重度訪問介護の検討を

ALSは病気の特性上、24時間体制で看護師が在籍している介護施設でないと、入居することはできません。

人工呼吸器や経管栄養といった医療デバイスの扱い、そして喀痰吸引などに対応してくれる施設であれば入居可能ですので、ALSクライアントの方が介護施設を探す場合はその点に注意しておきましょう。

また24時間体制での介護を利用したいという観点からは、重度訪問介護の利用もおすすめです。

実際にホームケア土屋でも多くのALSクライアントの方に、重度訪問介護を提供しておりますので、どんなことでも遠慮なくご相談ください。

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