第2部 使命感が人を動かす ―想いを未来へつなぐリーダーの在り方-
対談参加者
星 敬太郎……ホームケア土屋スーパーバイザー
小川 力信……ホームケア土屋関東ブロックマネージャー
司会……宮本 武尊/取締役 兼 CCO最高文化責任者
司会第1部では、「活きるを支える」という取り組みが生まれた背景と、その広がりについて、お二人に語っていただきました。
第2部では、さらに一歩踏み込み、その取り組みを動かす原動力について、お話を伺いたいと思います。
小川BMがぜひ星SVにお聞きしたいことがあるとのことですので、小川さん、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 使命感が、人を動かす ―「困っている人を助けたい」という原点-



ありがとうございます。
実は私が星さんと関わる中で、すごく意識させてもらえたのが「使命感」なんです。
少なくとも、目的を達成するためのエネルギーという部分においては、この使命感というものはとても強いと思っています。
それがあるからこそ、仲間をゴールまで導けるんだと思います。
トップに立つ人間には必ず必要なものだと思うんですが、私はこれまで少しふわっとやってきてしまったので、「使命感がないわけではないけど、自分の中では薄く見えるな」と感じています。
星さんは言葉化がとてもお上手なので、星さん自身がやらなければいけないと思っていることをお聞きすると、体感として大きな熱量を感じるんです。
そこでお聞きしたいのですが、星さんは土屋に来たことで使命感を持つようになったんですか。それとも、幼少期からそうした使命感を持って生きてこられたのでしょうか。



使命感が強いという自覚はありますね。
ただ、その使命感は、実は介護業界に限ったものではなくて、「困っている人がいたら助けようよ」という、その一点のみなんですよ。
福祉の業界には24年前に入りましたが、その時にはすでにその感覚はあったので。
といっても、なぜ自分が使命感を持っているのかは、いまだに分からないんですよね。土屋に入社してから、その使命感が進行形でどんどん強くなっていることは間違いないんですが。



強くなっているというのは、なぜなんですか?



叶えられる可能性があるから、土屋だと。
やはり可能性が現実に湧いてくると、使命感がより強くなるのは、まあまあ自然なことだとは思いますね。
で、小川さんが言うように、これが全ての原点になり、仕事をする上での原動力になっていることは間違いなく言える。もうこれが全て。
日々のトラブル解決であったり、業績回復であったり、一見すると別々に見える出来事も私の中ではすべて同じところにつながっていて、すべての事象をこの使命感に基づいて考えていますね。
それに、土屋のミッションと自分自身の使命感が、おこがましいですけど重なっていると感じていて、何かを判断する時も、理念遂行の際も、使命感から逆算して考えている。
だから迷わないですね。



星さんは、判断が本当に早いですが、その軸はここにあったんですね。
その使命感というものは、誰かから教わったり、意識して身につけたりできるものなんでしょうか?



そうですね。。
使命感があると、確かに推進力は強くなるし、自分の役割を遂行する力にもなると思うので、持っていたほうがいいとは思うんですが、「こうすれば持てる」というものではないとも思いますね。
性格ですかね。



自身の使命感について、振り返られたことはあるんですね。



ありますね。
私は家庭環境があまりよくなかったので、中高生くらいの頃から「一般的でいいので普通の生活がしたい」という強い思いがあったんですね。
ごく当たり前の生活が、自分にとっては羨ましく感じるものだったので、仮説ですけど、環境から来ているかもしれないというのは思ったことがあります。
なので、今の仕事に当てはめて考えると、病気をされた方、障害がある方、介護が必要な方と出会った時に、やはり一般的な生活は誰しもできるように何かして差し上げたいなと。
もちろん、そのラインは人それぞれだとは思うんですが、介助が必要なら介助をする。足りない部分があるなら、私たちが支える。
難しいけど、少なくとも日本中の誰もが、自分にとっての当たり前の生活を送れるようにできればいいなと思っています。
自分自身は今、その生活を送ることができているので、もしそれができていない人がいるのであれば、その人ができるようにしたい。
そういう思いが自分の中では本能に近いものとしてあるのかもしれませんね。
第2章 理念と使命感が重なる時、組織は動き出す



たしかに、私も使命感がある部分については迷わずに、一直線で進めるんですが、星さんはこの使命感の沸き上がり方をコントロールしているように思えるんですね。
つまり、僕は「活きるを支えるプロジェクト」には使命感を強く持って取り組める。
バチッとハマっているので、エネルギーを注げるんです。
でも星さんは、例えば「売上を上げる」という会社側の方針に対しても、それに合わせて使命感を重ねていけるように思うんですが、僕にはそれができない。
興味のあるものにしか使命感を乗せられないので、どうしたらそうできるのか、テクニックがあればお聞きしたいです。



テクニックというよりも、偶然性のほうが大きいですね。
土屋のミッションである「探し求める 小さな声を」は、割と幅広く解釈できますが、その根底には「一人でも多くの困っている人たちの生活を支える」ということがありますよね。
そこが、私が持っている使命感と偶然マッチしている。
つまり、土屋が業績を回復しようというのは、売上が下がっているからですが、売上が下がっているということは、支えられる人の数が減っているということです。
「より多くの困っている人を支えたい」という私の使命感からすると、売上の回復は「会社から言われたからする」「自分の役割だからする」のではなくて、支えられる人の数が減っているのであれば、それを増やさなければいけない、というところなんですね。



そういうことなんですね。いや、今すごく腑に落ちました。
要するに、僕の場合は「この取り組み」というようにポイントで押さえているだけですが、星さんの場合は、土屋の理念や根底にある思いという、もっと大きな部分と自分自身の使命感が重なっているので、すべてにおいてマッチングするわけですね。



そうそう、そういうことです。



だからこそ、理念やバリューがすごく大事になるんですね。
すべての土台になる。



なので、使命感をコントロールしているつもりはないんですが、売上を上げることって、言われなくてもやらなければならないので、売上が下がった状態になると「ニーズに応えられていない」「困っている人を支えられていない」と自分自身、情けなくなってくるんですよね。
ただ、逆に教えてほしいんですが、私の場合は、たまたま自分の使命感と土屋のミッションが重なったという部分があるので、それを「偶然でした」で終わらせてしまったら、他の人には伝えられないんですよね。
小川さんは、この偶然性がない方に対して、このような使命感を持って仕事に向き合ってもらうためには、何が必要だと思いますか?



星さんが仰っていたことがヒントになった気がします。
ひたすらミッション・ビジョン・バリューを自分の中に落とし込む作業がそこに近いと思います。
僕のように、興味のあるところだけに使命感を持つと、その部分しかできないことになりますが、星さんのように、土屋の理念にガチッとはまって、それを使命感として落とし込めると、どんなことに対しても同じように使命感を持って向き合える。
つまり、会社の中に星さんをいっぱい作らなきゃいけないんですよ。



私をですか。



星さんまでいかないにしても、理念をきちんと腹落ちするところまでみんなと話して、自分の中に「理念をこう理解していて、だからこうするんだ」というのを確立してもらうことが近いかもしれないなと。
そうすると、会社が右のハンドルを切った時は右に行き、左に切った時は左に行く人が生まれるんじゃないかなと思ったんですが、どうでしょう?



なるほど…難しいですね…
ただ、私が今話しているのは、理念の中でもミッションに限定した話であって、バリューについては、自分がすべて遂行できているとは思えないんですよね。



それは逆に、星さんではない人たちにも汎用性がある部分かもしれませんね。
自分自身の中で、ミッション・ビジョン・バリューのどこか一つでも強く引っかかるものがあれば、そこを起点に「会社を良くしていこう」という視点につながってくる気がします。



なるほど。
バリューの中にある限定した話をすれば、「柔軟性」、これは絶対に必要だと思います。
柔軟性を持って、使命感を会社や組織の方向性に合わせていくことはやはり必要ですよね。
ただ、業務として役割を認識し、責任を持って遂行することと、自分自身の内側から湧き上がる使命感で動くことでは、そこに込められる熱量は変わりますよね。



そう思います。
第3章 次なる挑戦へ ―小川BMが描く、未来へのバトン―



小川さんが、これからの土屋の中で成し得たいことは何なんでしょうか。
あまり私にも話したことないですよね。



そうですね。
具体的に直近のことで言えば、今見えている課題に対して、まずは何とかしなければと思っています。
それは一言で言うと、現在担当している高齢福祉事業部が、言い方は悪いですが、事業としてスタートラインに立てていないですよね。
なぜなら、会社に利益を生み出せていないから。
なので、高齢福祉事業部が会社に利益を生み出しながら、同時に社会の中で地域の高齢者を最後まで支えていける環境をつくる。
そこが、直近では自分の使命感に一番近いところだと思っています。



役割の遂行ですね。その先になにか――。
例えばその課題は、小川さんが高齢福祉事業部の副部長になっていなかったら発生していなかったじゃないですか。
その役割を担ったからこそ、解決すべき課題として向き合っていると思うんですが、その先に――。
小川さん自身が土屋に所属しながら成し遂げたいことは、何かありますか?



いや、ここは弱いところかもしれないですね……。
5年後の未来であれば、ある程度は想像できるんですが、15年後、20年後の自分がどうなっていたいのかと考えると、「どうでしょう……うーん」となってしまいますね。



いや、20年後はもう土屋にいないからいいよ(笑)
60歳くらいまで土屋に所属すると考えた時に、その時までに何を成し遂げたいのか、ということですね。



なるほど。
「成し遂げる」というと、すごく大きなことを想像してしまいますけど…
僕は、人に何かを教える仕事に携わっていたいと思います。
それは重度訪問介護でも、高齢分野でも、何でもいいんですけど、自分自身がこれまで培ってきた知識や経験を伝えることで、その人たちの可能性がさらに広がるような仕事をしていたいなと、ぼんやりとは…
だから、土屋ケアカレッジにお世話になろうかなって(笑)



なるほど。いや、面白いですね。
そう考えると、小川さんのみならず、奥永さんや私自身も、土屋で積み重ねてきた知識や経験、ノウハウを次の世代の方々に伝えていく場があるといいですね。
そういう意味では、カレッジは確かに一番イメージしやすいですね。
それであれば、60歳を過ぎてもできるかもしれない。



そうですね、細々と(笑)
資格を取得したり、先生として関わったりできたら嬉しいなと思います。
教壇に立って、「昔はこうだったんだよね」っていうのは、ちょっといいなと。



いいですねえ。
最終章 言葉にすることで、想いは未来へつながる



ありがとうございます。
改めてお話を伺っていると、星さんが小川さんに託しているものの大きさを感じましたし、小川さん自身もこれから土屋の中でさらに広がっていく可能性を感じました。
あとは星さんから「涙」も継承していただいてですね(笑)、ぜひ泣き上戸になっていただきたいなと思います。



涙かー 。



見たことないですね。嘘くさそうだよね、なんか(笑)



そうなんですよ。
僕が泣くと、 「あー、こいつ嘘泣きしてるな」って、なんか嘘っぽくなるので。
涙はどなたかに。星さんには勝てないんで。



それはもう、仕事と認識しなくても、ブロック大会もほとんど全て泣いてますね。
本当に涙もろくて、すぐ泣けてくるので。バスタオルを持ってね。



(笑)



いや、恥ずかしいんですよ、 本当に。
回数が多すぎて(笑)
「活きるを支えるプロジェクト」では、どうしても泣く場面が多いんですけど、コメントを求められたときにも、エピソードの内容を思い出して泣いちゃうんですよね。
周りから見ると、自分のコメントに酔いしれて泣いている人みたいな雰囲気になっている気もして、そこがまたすごく恥ずかしいですね。



いやいや(笑)
でも、それだけ一つひとつの事例や、そこで生まれた支援に心を動かされているということですよね。素晴らしいと思います!
それでは最後に、お二人からご挨拶をお願いいたします。



まずは、星さんのこのコーナーに出演させていただいて、ありがとうございます。
星さんが以前仰っていましたが、「言葉にしてアウトプットすることで、自分の中でも整理されていく」ということを、今回とても感じております。
改めて当時の想いや出来事なども思い出して、自分の中で再確認できることもたくさんありました。
土屋で成し遂げたいことについても、正直に言うと、明確に持っていたものではなく、今回こうして話をする中で、「あ、この未来って自分が目指したいものかもしれない」と気づくことができて、そういうきっかけを、この場でいただけたことは本当にありがたいと思っています。
これって、すごく土屋らしい取り組みだと思うんです。そこで働くマネージャー同士が対話をして、その内容を文章にしていただいて、人となりや考え方が見える形になる。
こういうことをやっている会社って、なかなかないと思うので、本当に土屋らしい場所に関わらせてもらって感謝しかありません。
また次の方の対談も楽しみにしています。



はい、ありがとうございました。
本日は「活きるを支えるプロジェクト」のお話から始まって、お互いにほぼぶっつけ本番で対話をさせていただきましたが、その中で新たな気づきや新たな視点、「あ、そうだった」と思い出すようなこともたくさんありました。
実は今日、自分自身の「活きるを支えるプロジェクト」のきっかけになったエピソードについては、あえて話すのを控えたんですが、その時のことを思い出したり、自分自身の原点に立ち返ることもできたので、本当に良い機会をいただいたなと感じています。
そして、使命感についても、改めて小川さんからお話を聞く中で、小川さんは……確かに、使命感は弱いかなと(笑)
まだまだ伸びしろがあるということですね(笑)
でも、小川さんは組織の中でも私に続く立場にいて、やはり私が上にいるのであれば、その部分を小川さん自身に持っていただくことが、さらに強くなり、さらに土屋で活躍していくことにつながるということを改めて感じたので、私が今日返答しきれなかった自分の中の使命感について、もっと言語化してアウトプットしていく必要があることを感じました。
私自身にとっても大きな気づきをいただいたトーク番組になりました。
「星の部屋へようこそ」、ありがとうございました(笑)
第1部をまだご覧になっていない方は、こちらからご覧ください。














