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重度訪問介護とは?サービス内容と通常の訪問介護との違い

重度訪問介護とは?サービス内容と通常の訪問介護との違い

重度訪問介護とは?サービス内容と通常の訪問介護との違いを徹底解説!

重度訪問介護とは、重度障がい者の支援を行う訪問介護です。

「重度障がい者」とは、身体障がいに限らず、知的障がいや精神障がいなどによって行動に著しい困難があり、日常生活の総合的なサポートが必要な方を指しています。

「訪問介護」といっても、高齢者福祉に関わる一般的な訪問介護とはサービス内容や必要な資格などが異なります。

今回は、重度訪問介護のサービス内容や特徴、通常の訪問介護との違いについてご紹介します。

重度訪問介護の対象者

重度訪問介護の支援対象者となる「重度障がい者」として、厚生労働省が定めているのは下記の通りです。

■ 重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する者であって、常時介護を要する障害者
→ 障害支援区分4以上に該当し、次の(一)又は(二)のいずれかに該当する者

(一) 二肢以上に麻痺等がある者であって、障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」、「移乗」、「排尿」、「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されている者
(二) 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者

障がい者は、支援サービスを利用し始める前に各自治体より障がいの度合いについての認定判定を受けます。
最も障がいの軽い方を「障がい支援区分1」、最も重度障がいをお持ちの方を「障がい支援区分6」とする6段階の障がい区分で表します。重度障がい者はそのうち、4〜6の区分で認定を受けていることが対象条件です。

また、重度訪問介護はもともと身体障がいのみに限定されたサービスでしたが、平成26年より知的障がいや精神障がいなども含まれるようになりました。

重度障がい者は、日常生活の基本的な行動が非常に困難であることが基準となります。

そのため、重度訪問介護では日常生活の総合的なサポートが主なサービス内容です。

重度訪問介護のサービス内容

重度訪問介護で提供する支援内容は、下記のようなものです。

  • 身体介護:食事、入浴、排泄などのサポート
  • 家事援助:食事づくり、掃除、洗濯などの代行
  • 見守り:サポート
  • 外出時の介護:通院や買い物などの付き添い
  • その他日常生活におけるさまざまなサポート

支援内容は詳細を問わず、日常生活をトータル的にサポートするのが大きな特徴です。

現在では、通学・通勤を伴う外出の支援や、クライアント(利用者)本人以外の家事援助などは認められていません。

あくまで、「クライアント本人」が「日常生活を送るための支援」がサービスとなります。

重度訪問介護では専門資格が必要

重度訪問介護の現場で「重度訪問介護従業者」として働くためには、資格取得が必要です。

資格は、都道府県知事から指定された場所での「重度訪問介護従業者養成研修」を受講・修了することで取得できます。

重度訪問介護従業者養成研修

重度訪問介護従業者養成研修には3つの課程があります。

  • 基礎課程
  • 追加課程
  • 統合課程

重度訪問介護の対象者となる、障がい区分4〜6のクライアントの介護をするためには、基礎過程と追加課程の受講が必須です。

統合課程の受講は任意となりますが、たんの吸引(喀痰吸引)やチューブによる栄養注入(経管栄養)などの医療的ケアまで行えるようになります。統合課程を修了することで、仕事の幅がさらに広がりますので、介護業界でキャリアアップしていきたいという方には受講をおすすめします。

受講・資格取得にあたって、年齢や職業、学歴は不問のため、介護未経験の方でも受講可能です。

養成研修は、NPO法人や社会福祉法人などが主催している研修もありますので、是非お住まいの自治体ページで研修先をご確認ください。

通常の訪問介護との違い

重度訪問介護は通常の訪問介護と比較すると、対象者の違いはもちろん、提供するサービスやルールが異なります。

クライアントの対象

前述の「障がい支援区分」において、4〜6が重度訪問介護の対象者であるのに対し、通常の訪問介護では比較的障がいの軽い区分の方が対象です。

障がいの軽い方が重度訪問介護サービスを利用することはできませんが、重障がい者が通常の訪問介護を利用することは可能です。

サービスの内容

通常の訪問介護はサービスが独立して存在しています。

そのため、利用したいサポート内容によって別のサービス会社を利用することもあり、クライアントにとっては負担の大きくなる部分も予想されます。

その点、重度訪問介護では日常生活に関わる全てを総合的に支援することができます。そのため、通常であれば別々のサービスを利用しなければならないところを、同じ従業者で支援することができます。

その結果、ひとりひとりのクライアントの日常生活に寄り添った介護を、長期的に行うことができるのです。

介護計画について

介護サービスでは、実際にサービスを提供し始める前に「介護計画」を作成します。

クライアントの要望に合わせて、どのように介護・支援を進めていくかという計画です。

訪問介護を含めて通常の介護サービスでは、事前に決められた介護計画通りにしかサービスを提供することができません。

しかし、重度訪問介護では日常生活によって生じる様々な介護支援を行う必要があるため、この計画の内容を超えて柔軟に提供することができます。

この柔軟な支援が重度訪問介護の魅力のひとつです。

2時間ルールの適用外

通常の訪問介護では、同じサービスを1日に複数回提供する場合、その間に2時間の空白時間が必要だという原則ルールがあります。
2時間の空白がなく複数回支援をした場合、それは1回のサービスだとみなされてしまいます。

これは、介護報酬に伴う単位の考え方に基づいた重要なルールです。

しかし、重度訪問介護ではこのような時間に関するルールはありません。支援をした1時間後に再度同様の支援を提供しても、介護報酬には関与しないということです。

このあたりも介護計画と同様、非常に柔軟にサービスを提供できる重度訪問介護ならではの制度です。

以上が、重度訪問介護と通常の訪問介護の主な違いです。
上記以外にも異なる点はございますので、参考程度に考えてください。

「柔軟さ」が特徴の重度訪問介護

今回は、重度訪問介護に関する特徴や資格についてご紹介しました。

通常の訪問介護と比べると、日常生活を総合的にサポートするため、内容や条件も柔軟な部分が大きいです。

クライアントの日常生活に対して総合的に関わるため、臨機応変な対応が求められますし、介護士としてのスキルアップも見込めるでしょう。

重度訪問介護が必要な障がい者は増加傾向にあり、重度訪問介護従事者の需要も高まっています。

重度訪問介護の現場に興味をお持ちの方は、まずはお近くの養成研修を探してみてください。

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