誰もが「介護難民」になる可能性がある!?解決策として私たちができることは?

誰もが「介護難民」になる可能性がある!?解決策として私たちができることは?

少子高齢化が進む日本では、人口における65歳以上の高齢者比率が先進国の中でも特に急激な勢いで高まりつつあります。

高齢者の比率が増えると同時に大きな社会問題となっているのが「介護難民」の問題です。現在の日本では、介護サービスを希望していても、実際には介護サービスを利用できずにいる方々が一定数存在しているといわれています。

今後高齢者人口がさらに増加を続けると、介護サービスを利用できない要介護者がさらに増えると考えられており、今よりもさらに介護難民の数は増えると予想されています。

この記事では誰もが他人事ではない介護難民の問題と、土屋が考える介護難民問題の解決策をご紹介いたします。
両親や家族、そして自分自身が介護難民となるかもしれない状況を踏まえて、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

目次

他人事ではない介護難民問題

2022年時点の日本では、介護サービスの一部である「特別養護老人ホーム」への入居を待機している方だけで、27.5万人以上の介護難民が確認されています。

今後の日本では団塊世代が後期高齢者区分に到達する2025年問題、団塊ジュニア世代が高齢者区分に到達する2040年問題が控えています。

高齢者人口の増加やそれに伴う認知症患者の増加、また働き世代の不足などが課題となり、今後も介護難民は増加する傾向にあると予測されています。

【参照】特別養護老人ホームの入所申込者の状況 報道発表資料(令和4年度)(厚生労働省)

介護難民の問題に対する、国の解決策

介護難民の問題に対して、国も早急に対策を進めています。

まず介護人材の不足に対する解決策として、在留資格のひとつに「介護」の区分を創設することによって外国人留学生の受け入れを積極的に行っています。

実際に2019年の時点でインドネシア、フィリピン、ベトナムから累計5,000人以上の介護福祉士候補者を受け入れており、そのうち1322人は介護福祉士の国家資格を取得しています。

また介護ロボットの開発にも力を注いでいます。

具体的には介護サービスの中でも特に人手が必要不可欠な移乗支援・移動支援・排せつ支援・見守り・入浴支援の5業務に対応できるようなロボットが導入される予定となっています。

【参考】外国人介護人材の受入れについて(厚生労働省)

介護難民の問題に対する、社会全体としての解決策

そして今後も増加を続けるであろう介護難民問題に対して、介護や医療分野だけではなく、自治体や地域住民全員で積極的に向き合っていこうという解決策が「地域包括ケアシステム」です。

地域包括ケアシステムは、要介護状態と認定された後も住み慣れた自宅や地域での自立した生活を継続できるよう、地域全体でサポートしていくシステムです。

要介護者が自宅で生活を継続する上でどのようなサポートが必要かという点に関しては、例えば離島部と都心であれば全く異なってきますので、地域包括ケアシステムの内容はそれぞれの地域によって異なります。

例えば東京都世田谷区では、高齢者のみの世帯や一人暮らし高齢者が、全高齢者の半数を超えていることもあり、在宅医療の推進や定期巡回システム、また高齢者の居場所作りなどを積極的に取り組んでいます。

一方で島の中に介護ヘルパーが1人しかいなかった熊本県上天草市では、ヘルパー養成事業の展開によって11名のヘルパーを養成し、介護予防事業所の開設を達成しました。

また離島高齢者見守り事業として、配食サービスを実施しています。

どの地域においても介護難民の問題は生じていますので、私たち一人ひとりが当事者意識をもって、地域包括支援システムに参加していくことが重要です。

【参照】
都市部での医療・介護・予防・生活支援・住まいの一体的な提供に関する取組(厚生労働省)
離島における在宅生活の基盤づくり(厚生労働省)

介護難民に対する、ホームケア土屋としての解決策

ホームケア土屋では「障害や病気、年齢に関係なく全ての人が自分らしい生活を自宅で送ることができるように」との思いのもと、まだまだ行政の支援が追いついていない介護難民問題への解決策を実践しています。

それが「重度訪問介護」の拡大です。

重度訪問介護は、重度の肢体不自由によって障害程度区分4〜6に認定されている方や、精神的もしくは知的な障害などの理由をもつクライアントに対して行う、24時間体制の介護サービスです。

今までは施設入居、もしくは家族のケアのもとで日常生活を送ることしか出来なかった要介護者ですが、2006年にスタートした重度訪問介護制度によって自宅や一人暮らしといった選択肢を制度上は選択できるようになりました。

しかしながら重度訪問介護は介護報酬が低いことから介護事業者の参入か活発化せず、今でも重度訪問介護を希望している介護難民状態の方が多数いらっしゃいます。

すべての人の尊厳を大切にしたいとの思いから、ホームケア土屋では2023年1月に47都道府県全てへの重度訪問介護事業所創設という目標を達成しました。

現在では700人以上のクライアントに対して、重度訪問介護サービスを提供しています。

さらなる重度訪問介護サービスの拡充を目指して

47都道府県への重度訪問介護事業所の進出を果たしたホームケア土屋が次に模索するのは、重度訪問介護難民の地域格差に対する解決策です。

株式会社土屋が2022年に関東地方を対象にして行った調査では1都6県の重度訪問介護利用格差が最大18倍、そして2023年に関西地方を対象に行った調査では2府4県の重度訪問介護利用格差が最大4.8倍との結果が出ました。

また関西地方は関東地方より利用率が約2倍となっていて、地域によって重度訪問介護サービスの充足度はまちまちであることが分かりました。

住む地域によって重度訪問介護の利用に差が出ていたり、重度訪問介護の介護難民がいる地域がある状態を改善するために、今後ホームケア土屋ではさらなる事業所展開と人材育成を通して、介護難民の解決に取り組んでいきます。

介護難民の問題に対する解決策は様々。課題解決に向けて一人ひとりが行動する社会へ。

介護難民の問題はとどまるところを知りません。

また日本国内でも地域ごとに介護難民の問題で生じる困りごとが大きく異なりますので、それぞれの自治体の状況に応じて、官民が一体となり解決策を模索していく必要があります。

ホームケア土屋も主体性をもって介護難民問題への解決策を考えて実行に移していく過程で、重度訪問介護の充足を図っていきたいと考えています。

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