重度訪問介護の夜勤はなにをするの?夜勤の仕事内容とメリット・デメリットを紹介
重度訪問介護は、重度の肢体不自由や知的障害、精神障害のある人が、自宅で自分らしい生活を送ることができるように作られたサービスです。
重度訪問介護者が利用者(クライアント)の自宅へ訪問し、24時間介護体制でクライアントの生活をサポートしていきます。そのため、重度訪問介護者には夜勤という働き方が求められます。
ただ、全ての職種に夜勤という働き方が求められているわけではないので、夜勤って何をするのだろうと疑問に思っている方も多いはずです。
そこで今回は、重度訪問介護の夜勤の仕事内容や夜勤のメリット・デメリットについて、詳しく紹介していきます。
重度訪問介護の夜勤の仕事内容
まずは、重度訪問介護の夜勤の仕事内容を紹介します。
夜勤のスケジュールはあらかじめ決まっていますが、クライアントの体調などによって仕事の内容が変更される場合があるので、臨機応変に対応できる柔軟性が必要です。
主な重度訪問介護の夜勤の仕事内容は以下の通りです。
- 事務作業
- 見守り
- 排泄介助
- 更衣介助・清拭
- 食事介助
それぞれ順に説明していきます。
事務作業
夜勤者は、出勤したら最初に、日中の業務を担当した職員から申し送りを聞きます。
日中のクライアントの様子を、細かく申し送りしてもらい、申し送り内容によってはその日の業務内容が変更することもあります。
業務内容が変更する例の一部としては、以下のような例が挙げられます。
- クライアントが発熱したため、普段は一度あるいは必要時にしか行わないバイタル測定を2時間おきに行う
- 褥瘡が悪化しているため、体位変換の回数を増やす
- 足に痛みがあり歩けないため、普段オムツを使用していないクライアントがオムツを使用。夜間2時間おきにオムツを交換する など
手が空いたときに記録簿の記入も行います。
見守り(必要に応じて体交や医療的ケア)
重度訪問介護の夜勤の主な仕事内容は、見守りです。
夜間、眠っているクライアントを見守り、体を動かす事が困難な方の体交や、呼吸器を付けた方など、医療的ケアが必要な方は、痰の吸引等を定期的に実施します。
変わった様子はないか、しっかりと確認する必要があります。
また、クライアントが起きてしまったら、その都度適切な対応をする必要があります。
排泄介助
安否確認をする際にオムツをチェックしたり、交換したりします。
また、夜間帯にクライアントがお手洗いに行きたいと目が覚めてしまったら、一緒に着いて行って見守りや介助をします。
更衣介助・清拭
クライアントが寝ている間に、排泄物で服やシーツが汚れてしまった場合は、着替えるお手伝いをします。
また、必要に応じて清拭もします。
きれいな状態や環境を保つことで、クライアントは安心して眠ることができます。
食事介助
朝が来たら朝食を用意し、食事介助をします。
重度訪問介護の夜勤は、事業所によって出勤時間や退勤時間も変わってくるため、朝食の介助も含め、夕食の介助をするところもあります。
重度訪問介護の夜勤のメリット
重度訪問介護の夜勤は、日勤とは大きく違う働き方ですが、夜勤だからこそのメリットもあります。
ここでは、重度訪問介護の夜勤のメリットを紹介します。
自分のペースで仕事ができる
重度訪問介護の夜勤は少人数で行います。もちろん、夜勤を1人で行う事業所もたくさんあります。
そのため、ある程度自分のペースで仕事を進めることができます。
事務仕事や記録簿の記入なども、クライアントの安全を確認した上で、自分の好きな時間に行うことができます。
また、夜勤中はクライアントも眠っているため、レクリエーションや入浴介助をすることがなく、日勤に比べてゆとりがあります。
夜勤手当で収入が上がる
介護職の夜勤では、夜勤手当をもらうことができます。
夜勤手当の金額は事業所によって異なりますが、必ずもらうことができるので、確実に収入があがります。
キャリアアップにつながる
夜勤に対応ができる人は数が限られています。お子さんがいるなどの理由から、夜勤が出来ないスタッフのほうが、圧倒的に多いのです。そのため、夜勤ができる人は重宝され、キャリアアップがしやすくなります。
また、夜勤は少人数で行うことが多いため、少人数でもしっかり夜勤ができると周りから評価や信頼を得やすくなります。
重度訪問介護の夜勤のデメリット
重度訪問介護の夜勤は、メリットだけではなく、デメリットもあります。
ここでは、重度訪問介護の夜勤のデメリットを紹介します。
生活リズムが乱れる
昼夜逆転し、生活のリズムが崩れてしまうことは、夜勤の代表的なデメリットとも言えます。
寝不足が続いてしまったり、ちょっとしたことが原因で体調を崩してしまったりする職員は少なくありません。
そのため夜勤を行う介護者は、人一倍体調に気を付ける必要があります。
スタッフの人数が少ない状態で緊急事態に対応する必要がある
先ほど紹介したように、重度訪問介護の夜勤は少人数で行います。そのため、ある程度自分のペースで仕事を進められる点はメリットといえるでしょう。
しかし、夜間帯にクライアントがベッドから転落・転倒してしまったり、体調が急変してしまったりした場合は、臨機応変に対応する必要があります。
看護師や主任がいない場合は、自分で咄嗟に正しい判断をしなければいけない場合もあります。
家族や友達と予定が合わない
家族や友達と予定が合わないというデメリットは、プライベートの時間を大切にしたい人にとっては、大きなデメリットだといえるでしょう。
夜勤が終わって帰ったときには、家族は学校や仕事に行っていて、すれ違ってしまう場合が多いです。そのため、家族とゆっくり会話ができる時間も少なくなってしまいます。
重度訪問介護の夜勤の仕事内容を理解した上で自分に合った働き方を探そう
今回は、重度訪問介護の夜勤の仕事内容と、メリット・デメリットをそれぞれ紹介しました。
重度訪問介護の夜勤は、仕事の大変さだけではなく、体調管理などの大変さがあります。
しかし、給料が高い、キャリアアップに繋がるといったメリットもあります。
人によっては、日勤より夜勤の方が「自分に合っている」と感じる重度訪問介護者も多くいます。
重度訪問介護の夜勤のメリット・デメリットを踏まえた上で、自分の理想の働き方や、自分の体調に合った働き方を探していきましょう。