「訪問介護には、次の訪問まで2時間空けないといけない『2時間ルール』があると聞いた。重度訪問介護でも同じなの?」——結論からお伝えすると、重度訪問介護に2時間ルールはありません。1回の利用時間に上限はなく、1日のなかで複数回に分けて使う場合の間隔にも、決まりはありません。
この記事では、そもそも2時間ルールとは何か、なぜ重度訪問介護には適用されないのか、そして混同しやすい2つの注意点を解説します。重度訪問介護の制度全体のしくみは、別の記事(重度訪問介護の制度のしくみと「できること」)でまとめています。
重度訪問介護に「2時間ルール」はない
重度訪問介護は、長時間の見守りを含めて、生活全体を切れ目なく支えることを前提につくられた障がい福祉サービスです。1回あたりの利用時間に上限はなく、1日のなかで複数回に分けて使う場合も、間隔を空ける必要はありません。
「間を2時間空けないと使えないのでは」と心配して、利用の組み立てをためらう必要はない、ということです。
そもそも「2時間ルール」とは?介護保険の訪問介護の算定ルール
誤解されやすいのですが、「2時間空けなければ訪問してはいけない」という禁止のルールではありません。間隔が2時間未満だと、別々の訪問ではなく「続きの1回」として扱われ、介護報酬の計算が変わる——という算定のルールです(出典:厚生労働省 訪問介護の報酬算定に関する留意事項通知)。
具体例で見ると、次のようになります。
- 10:00と14:00に訪問(間隔4時間)→ 2回のサービスとして算定
- 10:00と11:00に訪問(間隔1時間)→ 所要時間を合算して1回のサービスとして算定
訪問回数の多い使い方をすると算定のされ方が変わるため、介護保険の訪問介護では、訪問の組み方に影響する重要なルールとされています。
なぜ重度訪問介護には適用されないのか
介護保険の訪問介護は、入浴や食事など「決まった介助」を短時間で提供する組み立てが基本です。これに対して重度訪問介護は、常に介護を必要とする方のそばで、身体介護・家事・見守り・外出の付き添いまでを一体的に、長時間続けて提供します。そのため、訪問の間隔を区切る発想自体がなく、生活の実態に合わせて柔軟に支援を組めるようになっています。
ただし、ひとつだけ押さえておきたいのは、「間隔が自由」であって「使える量が無制限」ではないことです。ひと月に使える時間の総量は、市町村の支給決定で一人ひとり決まります。その範囲のなかであれば、まとめて長く使うことも、複数回に分けて使うことも柔軟にできる、というのが正確な理解です。
まぎらわしい2つの注意点
①障がい福祉の「居宅介護」には、同様のルールがある
同じ障がい福祉サービスでも、「居宅介護」には、訪問の間隔がおおむね2時間未満の場合に所要時間を合算して算定する、同様のルールが設けられています。重度訪問介護と居宅介護は名前が似ていますが、別のサービスです。「障がい福祉のサービスだから2時間ルールはない」とひとくくりにはできない点に注意してください。
②訪問介護側にも、2時間ルールの例外がある
介護保険の訪問介護でも、例外があります。令和3年度の介護報酬改定で、看取り期の利用者への訪問介護については、次のように定められました。
人生の最期の時間を自宅で過ごす場合、水分補給や体位変換など、短い間隔での訪問が必要になることが多いためです。訪問介護の2時間ルールも、一律に適用されるわけではないことは知っておいて損はありません。
まとめ|重度訪問介護は、時間の使い方を柔軟に組める
整理すると、次のとおりです。
- 重度訪問介護:2時間ルールなし。1回の時間にも間隔にも決まりはない(総量は支給決定の範囲内)
- 介護保険の訪問介護:2時間ルールあり(看取り期などの例外あり)
- 障がい福祉の居宅介護:同様の合算ルールあり
「朝・昼・夜と細かく支援に入ってほしい」「夜間はまとめて見守りがほしい」といった希望がある方は、どんな時間の組み方ができるか、事業所や市区町村の窓口に相談してみてください。実際の組み方は、お一人おひとりの支給決定の内容と生活の状況によって決まります。
時間の組み方も、まずはご相談ください
ホームケア土屋は、全国47都道府県で重度訪問介護を提供しています。夜間の見守りや1日複数回の支援など、生活に合わせた時間の組み方も含めて、利用のご相談を承っています。
重度訪問介護のサービス内容を見る・相談する





