私とあなたの垣根の隙間を縫って~重度訪問介護の資格を取って働いてみて思うこと~ / 三浦耕太

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私とあなたの垣根の隙間を縫って~重度訪問介護の資格を取って働いてみて思うこと~
三浦耕太(ホームケア土屋 札幌)

統合課程の資格取得は2年前ほど前になります。

重度訪問介護は土屋へ入社する前に少しだけ支援に入ったことがありましたが、制度のことや対象者について当時の自分は勉強不足であり、詳細を知るまでには至りませんでした。

ある日、求人広告を眺めていると「重度訪問介護」の文字を見つけ「医療的ケア」についても知るきっかけとなりました。

一瞬の出来事でしたが直ぐに内容をネットで調べ、応募に至りました。

その時のことは忘れることなく「介護で医療的ケアができるのか」という疑念と広がる視界に嬉しさを感じました。

実際に研修を受講し見るもの・聞くことが今までとかけ離れている環境に、もっと学んで自身の範囲を広げていきたいという感情が強く出ました。

当時ALSを発症された方への支援はほとんど経験がなく、口文字を見た時は知らない世界が目の前にあり、できるか分からない不安とできるようになりたい気持ちが当面は続きました。

少しずつコミュニケーションを図ることで笑顔も増えた気がしました。

読み取れない自分に諦めることなく、クライアントがご自身の意思を伝え続けてくれたことが後に繋がりました。

時間はかかっても半年経つ頃には自身でも自覚するほど、会話のペースがあがったことです。

言い知れぬ感情があり、とにかく嬉しかったです。

自身にとって大きな一歩となりました。

もう一歩は喀痰吸引、経管栄養といった医療的ケアの実施です。

恐怖心がなくなることは決してありませんが、良い意味で慣れず、危険を予測し実践することが重要であると日々感じました。

ある実地研修先において他事業所看護師の方より「鼻腔の吸引を体験してみて」と自身が体験する場面がありました。

苦しさと涙が止まりませんでした。

自然の反射で涙が溢れ出て視界は見えず、呼吸も苦しく1秒でも早く終えたいという気持ちが素直に感じたことです。

痰を自身で排出できないことで、同様の苦しさを日々乗り越え生活している方がどれほどいるのだろうか、有資格者であっても他人に任せる不安はいかほどか。

色々な気持ちがあることへの気づきにもなりました。

普段我々が実地研修後に実施している行為そのものが、いかに重要で負担をかけぬよう行うべきものなのか、改めて自覚できました。

このように重要な役割という職種に日々難しさ感じましたが、経験を通じ多くのことを学ぶことができ、今後もたくさんのことを吸収していきたいと思います。

そして重度訪問介護という制度の凄さを今だからこそ、より強く感じます。

プロフィール
三浦耕太 ホームケア土屋 札幌

保有資格:介護福祉士・保育士・幼稚園教諭 2 種免許
ホームヘルパー2 級・社会福祉主事任用資格
児童厚生二級指導員・ガイドヘルパー・福祉有償運送
統合課程

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