ALSの在宅介護。「もう無理」「限界かも」と感じたときの選択肢とは

ALSの在宅介護。「もう無理」「限界かも」と感じたときの選択肢とは

ALSは、筋萎縮性側索硬化症という指定難病の略称です。

筋肉を動かす運動神経の障害によって徐々に身体中に力を入れることができなくなり、全身の運動量が減ることによって結果的に筋力が低下し、身動きが取れなくなる病気です。

手足の筋肉はもちろんのこと、のどや舌、口の周りなど呼吸に必要な筋肉も次第にやせ細って機能しなくなってしまうため、発声や呼吸にも影響が及んでしまいます。

令和3年度の調査によると、9,968人のALSクライアントが確認されています。

今回の記事ではALSの在宅介護に限界を感じるときや、限界に達したときに頼るべきサービスについてご紹介していきます。

自身がALSと診断された方、もしくは家族がALSと診断された方にとっても分かりやすい内容となっていますので、どうぞご覧ください。

【参照】特定医療費(指定難病)受給者証所持者数(難病情報センター)

目次

ALSの症状の進行

先ほどご紹介した通り、ALSは身体の運動をつかさどる神経である運動ニューロンになんらかの異変が生じ、身体を動かすことができなくなり、筋力が低下してしまう病気です。

全身の皮膚感覚をはじめとして、視力や聴力など、そして内臓機能や認知機能などには影響がほとんど出現しないという傾向があります。

ALSは上半身の筋萎縮から始まる普通型・どちらかの足から筋萎縮が始まる偽多発神経炎型・そして言語障害・嚥下障害から異変に気付く進行性球麻痺の3タイプがあります。

いずれの型の場合も肢体の不自由や嚥下機能・呼吸機能の低下が全身に広がりますが、比較的症状の進行が早い病気として周知されている病気です。

人工呼吸器の挿入などの医療的措置を選択しない場合、平均的な寿命はおおよそは2〜5年と考えられています。

ALSと在宅介護

ALSに罹患すると徐々に身体を動かすことが難しくなり、介護を必要とする状態になります。

普通型の場合は手の筋萎縮から物が持てない、偽多発神経炎型の場合は歩行ができない、といった部分からサポートが必要になり、腹筋や背筋にも影響が出始めるとトイレや座位の保持などにも介護の手が必要になります。

またのどや舌、口の周りに筋萎縮の症状が出現した場合は、介護の有無がより生死に直結してきます。

呼吸にまつわる筋肉に影響が出てきたことにより人工呼吸器を使用するクライアントは、人工呼吸器の操作や喀痰吸引といった医療的ケアのサポートをかかすことができません。

そのため24時間体制での介護や見守りが必要です。

家族で行うALS在宅介護の限界

ご紹介したようにALSを発症したクライアントは、一部の筋肉を動かすことができなくなる点以外、例えば認知機能や痛覚などに影響はありません。

比較的目の筋肉は萎縮しない傾向にあるため、目の動きを介したコミュニケーションをとりながら、身体的な介護を行います。

食事や排泄、入浴などの介助が先が見えない状態で続くことで、肉体的に疲労を感じる家族は決して少なくありません。

また人工呼吸器を使用するようになると常時の介護が必要となり、四六時中クライアントから目を離すことができないという介護に限界を感じるようになります。

特に慣れない医療デバイスである人工呼吸器を扱ったり、喀痰吸引などの医療的ケアを行うことは精神的な負担となり、肉体的・精神的にも限界なのでこれ以上の在宅介護は難しいと感じてしまう方が多くいらっしゃいます。

ALSの在宅介護で限界を迎えた場合

ALSは指定難病に認定されていますので、40歳以上の方であれば特定疾患治療研究事業に基づいて介護保険制度を利用することができます。

まずは介護保険制度に基づいて介護度認定を申請し、訪問介護や訪問看護を中心とした介護保険サービスを利用できるような環境を整えましょう。

大切な家族の介護を家族以外の人に依頼することに抵抗を感じる方や、家族以外の人からの介護を受けることに戸惑いを感じる方もいらっしゃいますが、少しでも在宅介護を負担なく続けていくためには、公的なサービスの利用が不可欠です。

利用中の介護サービス量では限界を感じた場合

要介護度を参考に作成されたケアプランに基づいた介護サービスの利用を行っていても肉体的・精神的な負担が軽減されていないと感じた場合は、クライアントの介護度が進行している可能性があります。

ケアマネージャーに相談し、必要に応じて利用中のサービスの見直しや介護度の再調査を申請し、クライアントと家族が日常生活を継続できるような体制を整えましょう。

重度訪問介護という選択肢

また訪問型の介護サービスを利用していくなかで、「介護サービスの支給量が足りず、自己負担が多く生じてしまっている」という場合や「どう頑張ってもこれ以上の在宅介護は限界だ」という場合には、重度訪問介護という選択肢も視野にいれると良いでしょう。

重度訪問介護は重い肢体不自由や精神障害・知的障害をもつ方々の日常生活をサポートするための障害福祉制度です。

重度訪問介護のサービス自体は24時間の供給体制が整備されており、ALSのクライアントの日常生活を切れ目なくサポートすることができる仕組みとなっています。

ALSの在宅介護に限界を感じている方は重度訪問介護の利用について、ケアマネージャーや自治体の窓口、または重度訪問介護を提供している事業所に相談してみるとよいでしょう。

ホームケア土屋は47都道府県で重度訪問介護を提供しています

ホームケア土屋は、重度訪問介護を必要としている全てのクライアントに対してサービスを供給できる社会を目指して、47都道府県の全てで重度訪問介護を提供しています。

ALSをはじめ、重度の肢体不自由や精神障害・知的障害により常時の見守りを必要とされている方は、お気軽にお近くのホームケア土屋までお問い合わせください。

ALSの在宅介護に限界を感じたら、ホームケア土屋へ

ALSは進行性の指定難病で、一度発症した後に症状が完全になくなることはありません。

そのため長期間にわたってALSや在宅介護と向き合う必要があり、家族のサポートだけでは肉体的にも精神的にも限界を迎えてしまいます。

介護保険制度の適用や、重度訪問介護の利用により、ALSのクライアントが自立した生活を継続することができるよう、ALSと向き合いながら考えていきましょう。

またお住まいの地域のホームケア土屋では、重度訪問介護の利用に関するお問い合わせを受け付けております。

ALSの在宅介護で限界を感じてしまう前に、お気軽にご相談くださいね。

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