知的障害でも、重度訪問介護は利用できる?重度訪問介護の対象者とは
重度訪問介護は、障害福祉サービスの一種です。
障害福祉は、介護支援を受ける「介護給付」と、訓練等を受ける「訓練等給付」の2種類に分類されますが、重度訪問介護は介護給付に該当するサービスとなっています。
重い障害をもつ方であっても、自宅や地域社会で暮らし続けることができるようにサポートする介護サービスですが、まだまだ認知度が低く、あまり知られていない制度です。
そこで今回は、知的障害や精神障害を患っている方にもご利用いただける、重度訪問介護の概要についてご説明いたします。
障害や肢体不自由があっても可能な限り自宅での生活を希望されている方や、介護サービスの選択肢を知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
重度訪問介護は、知的障害の方も利用対象になる
重度訪問介護は、障害者総合支援法に定められた介護サービスです。
1974年に東京都独自の「重度脳性麻痺者介護人派遣事業」という制度がスタートされて以降、全国の自治体で徐々に普及し始め、2003年より日本全国で受けられる介護サービスになっています。
2006年より障害福祉事業再編において重度訪問介護へ移行されました。
2014年からは知的障害や精神障害をもつ一部の人も利用対象になっており、2023年現在で重度訪問介護を利用できるのは以下の方々です。
障害支援区分4以上に該当し、次の(一)又は(二)のいずれかに該当する方
(一) 二肢以上に麻痺等がある方であって、障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」、「移乗」、「排尿」、「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されている方
(二) 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である方
重度訪問介護を47都道府県で展開しているホームケア土屋でも、重度の肢体不自由や精神障害などを患い、常時介護を必要とされている方に対して24時間365日のサービスを提供しています。
特にALSや脳性麻痺、脊髄損傷、筋ジストロフィー、そして知的障害や精神障害をお持ちの方が大半です。
重度訪問介護が提供するサービス
重度訪問介護は常時見守りが必要なクライアントの介護をサポートさせていただくサービスです。
24時間365日のサービス提供体制を整え、クライアントやご家族からの依頼によって以下の介護サービスを提供させていただきます。
- 身体介護(入浴や排せつの介助、食事の介助、床ずれ防止の体位交換など)
- 家事援助(掃除や洗濯のサポート、食事の準備、生活必需品の買い出しや処方薬の受け取りなど)※同居のご家族がいる場合は、サービスの対象外になることも
- 移動介護(外出の準備サポートや、移動中の介助など)
- 生活に関する相談やアドバイス
- 見守り
知的障害をお持ちの方が重度訪問介護を利用される際のサービス
ホームケア土屋では、知的障害をお持ちのクライアントに対する重度訪問介護も提供可能です。
特にご家族から離れて一人暮らしをはじめられた知的障害のクライアントに対しては、お小遣いの使い方の助言、感情にあわせた声かけ、規則正しい生活習慣を意識したサポート(就寝・起床時間の声かけ、入浴や更衣のサポートなど)などを、個々の状況に応じて行います。
またご家族とお過ごしの方であっても、他害や自害行為の見守りや、衝動的な感情に対してのサポート、入浴や排せつなどの介助を行ってまいります。
知的障害の方に対する重度訪問介護では、アテンダントが黒子のように見守りを行うのが特徴です。
クライアントの様子を確認しながら、適切な応対で日常生活をサポートすることができるように、お一人おひとりの特性にあわせた介護サービスを提供いたします。
知的障害をお持ちの方に重度訪問介護をご利用いただいた例
知的障害をお持ちの方が重度訪問介護をご利用いただく際の、一例をご紹介いたします。
個々の障害の特性や、クライアントごとに異なる「重度訪問介護が必要と認められた時間数」によってサービス内容は変化いたしますので、あくまで参考程度にご確認ください。
【30代男性、一人暮らしの知的障害をお持ちのクライアントの場合】
15:00 日中に通われている作業所へのお迎え。
15:30 帰り道にコンビニへ。商品価格や賞味期限などを助言して、適正量の買い物になるようにサポート。
16:30 帰宅後、入浴のサポート。気温に応じて、着替えの内容を助言。
17:00 部屋の片付けや、掃除の介助。
18:00 食事の準備を見守る。思い通りにいかず感情が揺らいでしまいそうな場合は、冷静に声かけをする。
19:00 食事の見守り。後片付けや食後の歯磨き指導なども、必要に応じて行う。
21:00 夜勤スタッフとの交代。テレビ視聴や趣味の時間を見守る。
22:00 声かけをして就寝。アテンダントは万が一のトラブルに備えて問題がないよう見守る。
6:00 起床。朝の洗顔や身支度の介助。
7:00 朝食の準備を見守る。
7:30 朝食の見守り。後片付けの声かけも行う。
8:00 施錠確認をサポートし、作業所への移動に付き添う。
知的障害をお持ちの方が重度訪問介護を利用される際の注意点
重度訪問介護は、障害者総合支援法における障害支援区分が区分4以上の方にご利用いただける介護サービスです。
そのため重度訪問介護を利用する際は、自治体に障害支援区分の認定を依頼する必要があります。
障害支援区分の認定調査をもって紹介支援区分が4以上と認定された上で利用できるサービス時間が決定しますので、まずは障害支援区分の認定を行いましょう。
障害支援区分の認定から重度訪問介護サービスの契約までは様々な手続きがあり、早くても2ヵ月程度の時間を要します。そのため重度訪問介護の利用にあたっては、時間的な余裕をもって行うことをおすすめいたします。
また重度訪問介護は、原則として18歳以上の方を対象にした障害支援サービスです。
例外として15歳以上の方も利用できるケースはありますが、児童相談所長の認定が必要となっていますのでご注意ください。
知的障害があっても、自宅で暮らすという選択肢を重度訪問介護で叶えよう
重度訪問介護は、常時の見守りが必要なクライアントの自宅にヘルパーが伺い、日常生活が送れるようにサポートする障害福祉サービスです。
知的障害をお持ちで見守りが欠かせないクライアントであっても、自宅や地域社会での生活が継続できるよう、サポートすることが可能です。
知的障害をお持ちの方に対応した重度訪問介護をお探しの方や、重度訪問介護のサービス内容を詳しく知りたいという方は、47都道府県で重度訪問介護を提供しているホームケア土屋までお問い合わせください。