信頼関係の重要性
前波優(九州ブロック)
明けましておめでとうございます。謹んで新年のお慶び、申し上げます。
重度訪問介護に従事するまでは、信頼関係の構築について振り返ると、「本気で考えた事は無かった」と言ってもいいぐらいだと思います。
私は、訪問介護のお仕事をする前は、病院の療養型病棟、特別養護老人ホーム、救護施設で働いていましたが、どの職場も患者様、入居者様は30人から70人ぐらいの介護をしていました。
勿論、ケアをしている時は真摯に取り組んでいたつもりで、相性が合うのか、信頼を寄せてくれる患者様や入居者様を、少数ですが感じる事が出来た良い思い出はあります。
しかし、もっと寄り添って時間をかけたくても「出来ない現状」はありました。
訪問介護を経験してみて感じた事は、「1対1の訪問介護は関わる深さが圧倒的に違う!」という事ですね。
最初は重度訪問介護の事を、私自身が良く理解できていない状態で支援に入っていました。
目の前のクライアントの要望にただ応えていく。
それを繰り返していく。
それがクライアントの安心、安全な望む生活を支えている実感。
御家族の介護負担を軽減出来ている事。
病院、施設勤務も良かったですが、役に立っていると強く感じられるのは訪問介護だと思います。
幸いにも重度訪問介護の先輩方と話す機会が多かった私は、少しずづ理解を深め、難しさも良い意味で経験してきました。
クライアントとの距離感が近すぎても遠すぎても良くない。
1対1の訪問介護であってもチームで支援をしているので足並みを揃えないとケアの統一はできないし、「あの人はやってくれるのに、あなたはやってくれない」等の不満に繋がると関係性はぎこちなくなってしまいます。
このような状況にならないようにコミュニケーションをとって、アテンダントが安心して働きやすく調整してくれているコーディネーター、マネージャーには感謝の気持ちでいっぱいです。
面接を担当させていただくようになり、面接に来られた方に時折、伝えている内容があります。
無資格未経験の方が、不安な様子で面接に来られた時等に伝える事が多いのですが、知識、経験、技術は後からついてくるので、「クライアントとの関係性を築ける人間性が1番大事だ」と。
「1対1で長時間一緒に過ごす」と考えた時に関係性が築けていないと、お互い気まずい時間になるからです。
第一印象から気を付けて、良い距離感でマナーを守っていく。
私が18歳の時に教わった事ですが、「慣れるのは良いが、慣れすぎて慣れ慣れしくなるのは駄目だ」という言葉は忘れられません。
クライアントもアテンダントも、みんな笑顔で過ごせるようにしていきたいですね。
プロフィール
前波優(九州ブロック)
22歳の時に看護助手として療養型病棟で介護を始める。
3年後に独学で介護福祉士を取得。
特別養護老人ホーム(従来型)、特別養護老人ホーム(ユニット型)、救護施設を経験後、2018年に重度訪問介護に従事し始める。
趣味はスポーツ観戦(特にNBA、格闘技)