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医療的ケア児は重度訪問介護を利用できるの?重度訪問介護の利用条件を解説します。

医療的ケア児は重度訪問介護を利用できるの?重度訪問介護の利用条件を解説します。

医療的ケア児は重度訪問介護を利用できるの?重度訪問介護の利用条件を解説します。

医療的ケア児は、人工呼吸器や胃ろうなどの医療的デバイス、もしくは経管栄養や喀痰吸引などの医療的処置を必要とする、0歳から18歳未満の児童を意味しています。

常に医療的なサポートを必要としている状態にはありますが、病院に入院する形ではなく、基本的には自宅での生活を続けていることから、家族の負担が非常に大きくなる傾向にあります。

2022年の調査で約2万人と推計される医療的ケア児に対して、重度訪問介護のという形のサポートは可能なのでしょうか。

今回の記事では重度訪問介護の概要と、医療的ケア児が利用することのできる障害福祉サービスについて詳しくご紹介していきます。

医療的ケア児をサポートする職種や、重度訪問介護という働き方が気になる方は、どうぞ最後までご確認ください。

【参照】医療的ケア児について(厚生労働省)

重度訪問介護とは

重度訪問介護は、日常生活を送るうえで大きな困難を抱えている重度の肢体不自由・知的障害・精神障害を患うクライアントに対する障害福祉サービスです。

ホームヘルパーがクライアントの自宅を訪問し、以下のサービスを提供します。

  • 身体介護……食事や排泄、入浴、着替え、体位変換など、クライアントの身体に触れて行う、日常生活上の介助。
  • 家事援助……炊事や洗濯、生活必需品などの買い物など、クライアントが生活していく上で必要な家事のサポート。
  • 移動介護……通院や外出時における移動のサポートや、移動中に必要な介助。
  • その他……クライアントや家族からの相談への対応や、見守りを行う。

主なクライアントの疾患としては、筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病、脊髄損傷、脳性麻痺、重度心身障害などが挙げられます。

重度訪問介護の利用条件

重度訪問介護を利用するためには、障害支援区分が4以上と認定されたうえで、以下の2条件のいずれかに該当するクライアントである必要があります。

  1. 「二肢以上に麻痺などがある」かつ「障害支援区分の認定調査項目のうち歩行・移乗・排尿・排便・のいずれも「支援が不要」以外と認定されている
  2. 障害支援区分の認定調査項目のうち、12項目の行動関連項目の合計点数が、10点以上である

また原則として重度訪問介護は18歳以上のクライアントを対象とした障害福祉サービスですので、医療的ケア児が重度訪問介護を利用することはできません。

ただし以下の例外条件に該当した場合は、15歳以上18歳未満の医療的ケア児であれば、重度訪問介護を利用することができます。

医療的ケア児が重度訪問介護を利用することのできる例外条件

医療的ケア児が重度訪問介護を利用するためには、児童相談所長が必要性を認めた場合に限られます。

児童相談所は児童福祉法に基づいて、地方自治体が運営している行政機関です。

全ての子どもが心身とも健康に成長できることを目的に設置されており、知的発達の遅れや肢体不自由に関しての相談にも対応しています。

児童相談所への相談の結果、15歳以上の医療的ケア児にとって重度訪問介護の利用が適切と判断された場合は、重度訪問介護を利用することが可能です。

重度訪問介護の利用に該当しない医療的ケア児に対する支援

15歳未満の医療的ケア児、もしくは15歳以上であっても重度訪問介護の利用認定に該当しない医療的ケア児は、どのような公的支援を利用することができるのでしょうか。

詳しく確認していきましょう。

障害児通所支援

自宅から日中の数時間を使って、クライアント自身が通所施設に通う形で提供される医療的ケア児向けのサービスです。

一人ひとりの医療的ケア児が、自身の身体状態に合わせて日常生活の基本的な動作を習得したり、将来的な生活能力を向上させたりすることを目的に、サービスが提供されています。

医療的ケア児の年齢によって利用するサービスの名称が異なり、未就学の児童は児童発達支援というサービスを利用します。

就学児が利用するサービスは放課後等デイサービス、そして肢体不自由などが認められた児童が利用するサービスは医療型児童発達支援と区分されます。

訪問支援

通所支援とは反対に、医療的ケア児の自宅をアテンダントが訪問し、生活上の支援を行うサービスです。

具体的には以下のようなサービス内容となっています。

  • 居宅介護……ホームヘルパーが訪問し、食事や入浴、排泄といった身体介護から、調理や洗濯、掃除といった家事援助、生活に関する相談対応など多岐に渡るサービス。
  • 訪問看護……訪問看護師が訪問し、医療的ケアやサポートを行ったり、クライアントや家族からの相談に対応したりするサービス。
  • 訪問診療……医師が定期的にクライアントの自宅を訪問し、経過観察や健康状態の確認を行うサービス。
  • 往診……急病や緊急の事態に、医師が駆けつけて診療を行うサービス。

相談支援

各種サービスの利用計画を作成する計画相談支援と、サービスの利用申請をサポートする障害児相談支援の2種類から構成されているのが、相談支援です。

地方自治体によって提供され、医療的ケア児とその家族を必要な支援と結びつける架け橋のような役割を担っています。

一人ひとりの医療的ケア児にとって、最適なサービスや重度訪問介護の拡充を

一口に医療的ケア児といっても、身体の状態や疾患の内容は一人ひとり異なっており、また家庭環境も様々です。

今後も増加が見込まれる医療的ケア児に対しては、クライアントの状況を深く理解した上で、より質の高いサービスを提供していく制度整備が求められます。

特にホームケア土屋では、15歳以上で重度訪問介護の利用を認定された医療的ケア児に対する重度訪問介護の提供や、医療的ケアに精通したアテンダントの育成などを通して、今後も医療的ケア児に対する質の高い障害福祉サービスが提供される社会の実現に寄与してまいる所存です。

重度訪問介護に興味をお持ちであったり、医療的ケア児に対するサポートに関心があったりする方は、ホームケア土屋までお気軽にお問い合わせください。

支援を必要とする医療的ケア児や家族も含めた全ての方々の意思が尊重され、自分らしく生きることのできる社会の実現を、一緒に目指していきましょう。

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