相談支援専門員ってどんな資格なの?相談支援専門員について学んでみよう。
相談支援専門員という資格について聞いたことはあるでしょうか?
相談支援専門員は障害福祉サービスに関わる資格で、障害のあるクライアントが適切な福祉のサポートを受けることができるよう、重要な働きをしています。
指定特定・指定障害児・指定一般相談支援事業所に配置されている相談支援専門員の数は 23,954 人。現在日本では約2万人以上の相談支援専門員の資格をもって、相談支援業務に当たっています。
今回はこの相談支援専門員という資格について、わかりやすくご紹介してまいります。
介護や福祉に関わる資格を探している方や、これまでの経験を活かした資格取得を目指している方は、どうぞ最後までご確認ください。
相談支援専門員の仕事内容
相談支援専門員は、相談支援事業所や基幹相談支援センターと呼ばれる事業所で働くお仕事です。
相談支援事業所や基幹相談センターには、障害福祉サービスを利用したいというクライアントからの相談が寄せられます。
相談支援専門員は問い合わせのあったクライアントやご家族からの相談内容を整理し、実際の生活の様子を確認したうえで、クライアントにとって必要と思われる障害福祉サービスの内容や量を計画し、立案します。
また利用計画を作成するだけでなく、実際に障害福祉サービスを提供している施設への問い合わせや利用調整、必要に応じて医療機関との連携などを図るのも、相談支援専門員の役割です。
場合によっては関係者会議をセッティングし、クライアントにとってよりよい障害福祉サービスの提供を主導します。
さらにクライアントが障害福祉サービスの利用を始めた後の状況確認も、相談支援専門員の重要な業務の一つです。
おおよそ1カ月から3カ月おきにクライアントの現況を実際に確認し、必要な場合は利用するサービスの内容や量を調整するための新しい利用計画を作成して、関係各所との調整を行います。
相談支援専門員になるための資格
相談支援専門員として働くためには、介護分野や福祉分野での実務経験が必須となってきます。
どの分野に従事してきたのかによって異なりますが、3年以上から10年以上の実務経験が必要となってきますので、注意が必要です。
また相談支援専門員としてクライアントからの相談を受けるためには、相談支援従事者初任者研修や相談支援従事者現任研修が必須となります。
さらに相談支援従事者の資格は、永年制ではなく更新制となっています。
5年おきに相談支援従事者現任研修を受講しないとその資格を失ってしまい、改めて相談支援従事者初任者研修の受講から始める必要があります。
自身のもつ資格の有効期限に関しては自己管理が大原則となっていますので、資格失効には注意が必要です。
相談支援専門員になるための難易度
相談支援専門員になるためには、実務経験や研修受講が必須条件となりますが、資格試験制度はありません。
そのため試験勉強の必要や試験に落ちる可能性がありませんので、福祉分野の中でも比較的目指しやすい資格であるといえます。
ただし研修への遅刻や早退、課題の未提出などがあると、研修の修了資格を得ることはできません。
講義を聞くのはもちろんのこと、研修の中で行われる実習や演習に関しても積極的に取り組むことで研修の修了が認められますので、研修にはしっかりと取り組むことが大切です。
相談支援専門員の上位資格
相談支援専門員としてのステップアップを考えている方には、主任相談支援専門員という資格がおすすめです。
主任相談支援専門員は相談支援専門員として3年以上従事した上で、30時間の主任相談支援専門員研修を受講すると得られる資格です。
より質の高い相談支援を行う自信になり、また後輩の指導等も行うことができるようになる資格ですので、相談支援専門員としてのステップアップにおすすめの資格です。
相談支援専門員に対する資格手当
相談支援専門員が勤務する相談支援事業所や基幹相談支援センターは、自治体が運営する公営事業所と、自治体の指定を受けた民営事業所があります。
そのため事業所によって資格手当などの有無は異なりますので、勤務前には就業規則や給料に関する確認を必ず行いましょう。
一般的には先ほどご紹介した主任相談支援専門員の資格に対しては、多くの事業所で手当が支給されていることが多いようです。
相談支援専門員の資格を目指す際の注意点
相談支援専門員として勤務するためには、相談支援従事者初任者研修や相談支援従事者現任研修の受講が必要となりますが、この研修はそれぞれの都道府県によって管理されています。
従って相談支援従事者初任者研修や相談支援従事者現任研修を受講する際は、勤務している自治体が所在している都道府県で研修を受ける必要があります。
研修の時期や課題の内容、また研修への参加費の有無なども都道府県によって異なりますので、しっかりと情報を確認しておく必要があります。
相談支援専門員の資格を目指すのに向いている人
相談支援専門員はクライアントが感じている困りごとや希望する支援内容を把握して、適切な障害福祉サービスを受けることができるよう調整していくお仕事になります。
クライアントをはじめ関係各所とのやり取りが必要不可欠ですので、人とのコミュニケーションが苦にならない方、積極的に発言ができる方が向いています。
また相談支援専門員が勤務する相談支援事業所や基幹相談支援センターは、平日の日中が営業時間であることが大半です。
障害福祉や介護福祉の現場と異なり、休日や深夜早朝の勤務が発生する可能性が比較的低いため、子育て中の方やワークライフバランスを大切にしたい方に向いている資格といえます。
相談支援専門員の資格を目指して、障害福祉の分野でクライアントの自立を支えよう
相談支援専門員は、障害のあるクライアントであっても地域の中で自立した生活を送ることができるよう、障害福祉サービスの利用相談という形で障害福祉に貢献する、社会的意義が非常に大きい資格です。
クライアントの日常や人生に大きく関わる仕事となりますので、資格を得るためには様々な条件が設定されています。
改めて資格取得の条件等を確認し、相談支援専門員として社会に貢献していきましょう。