重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラムや費用を解説!
重度訪問介護従業者として働くためには、資格が必要です。
各都道府県知事から指定された場所で開催される「重度訪問介護従業者養成研修」を受講・修了することで資格を取得することができます。
この資格の難易度や取得に向けた時間が気になる方も多いと思います。
今回は、重度訪問介護従業者養成研修について、そのカリキュラムや受講方法をご紹介します。
重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラム
重度訪問介護従業者養成研修は、以下3つの課程に分けられます。
- 基礎課程
- 追加課程
- 総合過程
修了した課程に応じて、提供できるサービスが異なります。
研修のカリキュラムや実施時間の最低基準は厚生労働省で定められています。この最低基準に基づいて各都道府県がそれぞれの基準を定め、実際の実施時間やカリキュラムについては研修実施先で取り決めています。
各課程の受講内容について、下記でご紹介します。
内容についても研修先によって変動しますので、各研修先で適宜ご確認ください。
※研修時間については厚生労働省の最低ラインを記載しています。
基礎課程について
基礎課程では、現場に必要な基礎的な技術や介護について学びます。
訪問介護の土台となる介護知識や技術に関する課程のため、特に介護分野の仕事をしたことがない方にとって重要な課程です。
基礎課程のカリキュラムは下記です。
■講義:3時間
・重度の肢体不自由の地域生活等に関する講義:2時間
・基礎的な介護技術に関する講義:1時間
■実習::7時間
・基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーションの技術に関する実習:5時間
・外出時の介護技術に関する実習:2時間
追加課程について
追加課程は、基礎課程よりもさらに詳しい内容を学ぶことができます。実習では実際に障がい者を訪問するため、より介護現場に近い知識や技術を身につけられます。
追加課程のカリキュラムは下記です。
■講義:7時間
・医療的ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障害及び支援に関する講義:4時間
・コミュニケーションの技術に関する講義:2時間
・緊急時の対応及び危険防止に関する講義:1時間
■実習:3時間
・重度の肢体不自由の介護サービス提供現場での実習:3時間
統合課程について
上記2つの課程のみで、重度訪問介護の資格を取得し現場で働くことができます。
統合課程を修了すると、たんの吸引(喀痰吸引)やチューブによる栄養注入(経管栄養)などの医療的ケアまで行えるようになり、介護の幅がさらに広がります。
研修終了後、看護師の指導の下でクライアント(利用者)に対して行う実地研修での合格が必要になります。統合課程で提供できるようになる医療的ケアも全ての人に対応できるわけではありません。特定のクライアントに限りますので、こちらもご注意ください。
統合課程のカリキュラムは下記です。
■講義:11時間
・重度の肢体不自由者の地域 生活等に関する講義:2時間
・基礎的な介護技術に関する講義:1時間
・コミュニケーションの技術に関する講義 :2時間
・喀痰吸引を必要とする重度障害者の障害と支援に関する講義・緊急時の対応及び危険防止に関する講義①②:①②それぞれ3時間ずつ
■演習:1時間
・喀痰吸引等に関する演習:1時間
■演習:3時間
・基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーションの技術に関する実習:3時間
・外出時の介護技術に関する実習:2時間
・重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での実習:3.5時間
重度訪問介護従業者養成研修の受講について
重度訪問介護従業者養成研修は、全国各地で受講が可能です。
受講方法・受講条件・受講費用についてご紹介します。
受講方法
重度訪問介護従業者養成研修は、各都道府県が認可した研修施設で受講が可能です。
NPO法人や社会福祉法人などが主催している研修もあります。
詳しくは受講予定の各都道府県の該当ページで、開催されている研修場所をご確認ください。
受講条件
受講・資格取得について、年齢や職業、学歴が不問のため、介護未経験の方でも受講可能です。ただし、研修先によっては独自で定めているケースもあるため、受講予定の研修先でご確認ください。
また、資格取得後、就職する施設の就労条件によっては年齢制限や職歴などを問われる可能性もありますのでお気をつけください。
また、取得した資格は全国各地で使用できますので、一度取得できれば引っ越しなどを伴ってもすぐに現場で働くことができます。
受講費用
受講費用については、一律で統一されているわけではなく、研修先によって異なります。大まかな相場として、下記を目安にしてください。
- 基礎課程:15,000円〜20,000円程度
- 追加課程:15,000円〜20,000円程度
- 統合課程:30,000円程度
既に介護の現場で従事されている方や、その他該当の養成研修を修了されている場合、講義科目の中には免除されるものもあります。科目免除がある場合、それに伴って費用も安くなることも多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
資格取得スクール「土屋ケアカレッジ」では重度訪問介護従業者養成研修に定評があります。
重度訪問介護従業者養成研修で資格取得しましょう
今回は、重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラムや受講方法をご紹介しました。
重度訪問介護は、重度の障がいとして認定された患者の日常生活を総合的にサポートします。
重度訪問介護の対象となるクライアントは年々増加傾向にあり、その分重度訪問介護従業者の需要も高まっています。実際に現場で活躍するために、重度訪問介護従業者養成研修を受講して資格を取得しましょう。