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他者には測れぬ「ハッピーライフ」とは / 渡部有真

他者には測れぬ「ハッピーライフ」とは
渡部有真(東北ブロック)

初春のお慶び、申し上げます。旧年同様、本年も一層の研鑽を重ねてまいりたいと存じます。

「ワークライフバランス」とは、

「働くすべての方々が、『仕事』と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった『仕事以外の生活』との調和をとり、その両方を充実させる働き方・生き方」である

と、政府広報オンラインが定義している。

第三者から各人のワークライフバランスについて「バランスに偏りがある」あるいは「そんな調子じゃ体調を壊す」などと言われることがある。

そんな風に、時としてワークライフバランスが、第三者によって評価される瞬間が、至極普通にあるのだ。

仕事と「仕事以外の生活」のバランスについて考える。

・仕事以外の生活では、仕事のことは忘れてゆっくりのんびりと休暇を過ごす人
もいれば、

・仕事の合間合間に、仕事以外の時間を作ってリフレッシュする人
だっている。

そうするとワークライフバランスとは、「1人として同じパターンがいない領域」であるようにも見える。

そう、つまり個別的で、多様性があるといえるのだ。

仕事と「仕事以外の生活」のバランスが自身で整っていると感じられるなら、そこに第三者が介入する余地もなく、また、「社会一般的に良しとされる比率」など存在しないようにも感じられる。

ワークライフバランスにおける御利口な答えは、きっとこうなる。

「仕事と仕事以外の生活にメリハリをつけて、ONOFFをはっきりした方が健康的である」と。

よく耳にする機会が多くないだろうか。

また、「仕事しすぎじゃない?大丈夫?」と配慮や心配に似た声掛けをしているシーンをみかけないだろうか。

そんな様子を、私は、よく耳にするし目にする。

ここで私が思うこと。それは、仕事がたくさんあることは一見、忙しくて大変で、疲れていると感じられることもある。しかし必ずしも「大変そうに見える=辛い・苦しい」ではないということもまた「事実」だということ。

これは、時として介護にも精通する一面があることに気づく。

例えば、私が、第三者に、重度障害当事者の介護をしている話をすると、それを聞いた第三者は「大変だね、辛いね。気の毒だ。」などと言う。

さらに、私の連勤が続いているなどという話が付加するとなると、なおさら「なんて大変な仕事なんだ」などと評価されてしまうのである。

…はたして、私にとって、重度訪問介護は、辛くて気の毒な仕事なのであろうか?と考えさせられる。

大変だという事実がありつつも、辛いかと問われると、いえ、むしろ幸せに感じることができる機会も多くあったわけで。

話が脱線してきたので、一度修正する。

つまり、第三者からみる誰かさんのワークライフバランスが、一見、偏り(特に、仕事に比重)が大きいように見えたとしても、それが誰かさんの「幸せ」である可能性も大いにあり得るという点は、注目してほしいところではある。

何を言いたいのかよくわからなくなってきているので、改める。

私は、無類の「釣り」と「日本酒」好きである。特に、ウキフカセ釣りと、泳がせ釣りというジャンルが大好きで、どちらも酒の肴にピッタリな魚が狙えることから、もっぱらそればかりを楽しみに、磯場やテトラに足を運んでは二刀流を試している。

狙った魚を射止めるために、一体どんな準備が必要か・・・、そう、これ!これこそが釣りの醍醐味の一つであり、ワクワクが止まらないのである(持論)。

幸運にも射止めることができた魚を肴に、専用冷蔵庫から、コレクションした日本酒を選んでは、ちびちびとダラダラとペアリングするのである。

とまあ、そんな趣味を確実に楽しめるのは、紛れもなく仕事のおかげであるから、仕事には本気で取り組むし、仕事以外の生活よりも、圧倒的に仕事に費やす時間が大きくなっていることに何の疑問もない。

私のワークライフバランスは、「仕事と釣りと日本酒」でできている。失敬、過言でした。しかしそのバランスは、うまく調和がとれていると自信をもって自負している。

今一度言いたい。ワークライフバランスは、できれば第三者から評価されるものではないことを願ってやまない。

プロフィール
渡部有真 東北ブロック

050-3733-3443