博物館はタイムマシン!? / 鶴﨑彩乃

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博物館はタイムマシン!?
鶴﨑彩乃

最近、ふと思ったことがある。「昔、ぬりえ好きだったんだよな。」と。でも、2ページぐらい塗って飽きちゃうんだけど…。元々飽き性だし、小さい頃のことなので余計かもしれない。

しかし、今も昔も絵を描くのはすごく苦手。頭の中には、まあまあ良いイメージが浮かぶんだが、それが私の手を通して紙に伝わるころには、得体の知れない宇宙人や生命体の出来上がりである。

本当に不思議だ。障害のせいでもなんでもない。私に絵心がないだけである。

しかし、大人になって少し変化もある。昔は絵を見ることもあまり好きではなかったのだけど、一人暮らしを始めたばかりの頃、生活がうまく構築できずに鬱傾向になり引きこもりになった。

そんな私を見かねた相談員さんが、「アテンダントさんを調整して1人になる時間を作って、気分転換してみない?」とアドバイスしてくれた。

なるほど。と感心した私は、それをすぐ実行に移した。すると、驚くほど精神衛生は改善していったが、新たな問題が発生した。「お金」である。

映画は、身体障害者手帳を使用すれば1,000円で見ることができるが一月に何度も、となるとキツい。そこで、目に入ったのが美術館や博物館である。

身体障害者手帳があれば入館料がタダになるところが多い。それが1番最初に博物館に行ったキッカケである。さらに冷暖房完備。体温調節ができない私にとってはありがたい。ね?不純な動機でしょ?

しかし、実際に行ってみるとめちゃくちゃ面白い。ゴッホやゴーギャン・横山大観・葛飾北斎。洋画・日本画問わず、興味深いものがたくさんあった。それに展示物は、絵画だけとは限らない。

合戦の様子を記録した屏風・甲冑・手紙、もう歴史オタクからしたら、アドレナリンが止まらないモノがたくさんあった。

先程書いた不純な動機を軽々と飛び越えて、私の趣味の1つに美術館・博物館巡りが加わるのに時間はかからなかった。

中でも印象的な特別展示があった。海北友松(かいほうゆうしょう)展。このコラムを書くにあたってサクッと調べてみたら、「知る人ぞ知る」っぽい人で驚いた。

無知でごめんなさい。しかし、展示に行ったのはもっと前なので、「名前なんて読むん?」ぐらいのレベルだったが、その特別展が行われている博物館は何度も行ったことがあるところだったし、ポスターの絵(多分、雲龍図)に惹かれたので行ってみることにした。

私は、博物館や美術館にはごくごく親しい人か1人でしか行かない。途中で「満足した。お腹いっぱい。」と感じたら最後まで見ずに帰ることも多いからである。そして、海北友松展の内容も事細かに覚えている訳ではない。

ただ春日局とか、戦国武将が続々出てきてワクワクした感覚が高まっていったのは、なんとなく記憶しているけど。

しかし、最後の展示物はオーラが違った。ポスターと同じ絵。実物は屏風だったが。あれには息をのんだ。いや…あのときは、一瞬呼吸を忘れた。

月に照らされた龍が突然姿を現した。という演出(?)だと思うが、龍が今にも喋り出しそうな存在感。その瞬間、絵を通じて「ドボン」と時代を越えるみたいな感覚。

これはたぶん、歴史的な建物を探索しているときの心境と似ている。あくまで私の主観だけども。お城とか歴史的な名所に関してはバリアフリーでないことが多い。

まぁ、歴史オタク的には歴史的建造物にいきなりエレベーターがついても残念な気がするため、というかぶっちゃけへこむんやろな…。違う観点で誰でも楽しめる道を探ってほしい。

その選択肢の1つとして美術館・博物館は大きな役割を担っているのではないかと思う。

そういえばこの間、千利休の茶室と秀吉の黄金の茶室を再現したものを横並びで見る機会があった。趣向が違いすぎて笑いそうになった。ちなみに私は利休さんと気が合いそうです。

あんな「目ぇ痛っ!」みたいなピカピカしたところで、リラックスしてお茶は嗜まれへんよな…。

プロフィール
鶴﨑 彩乃(つるさき あやの)

1991年7月28日生まれ

脳性麻痺のため、幼少期から電動車いすで生活しており、神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科を卒業しています。社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っています。

大学を卒業してから現在まで、ひとり暮らしを継続中です。

趣味は、日本史(戦国~明治初期)・漫画・アニメ。結構なガチオタです。

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