相談支援専門員ってどこにいるの?相談支援員の働く場所や就職先を徹底解説。

相談支援専門員ってどこにいるの?相談支援員の働く場所や就職先を徹底解説。

障害をもつクライアントが自立した生活を送ることができるよう、必要な介助や支援を提供する仕組みが「障害福祉サービス」です。

障害福祉サービスは大きく分けて17種類ほどの制度が整っており、また地域によって複数の事業所が障害福祉サービスの提供を行っています。

障害をもつクライアントや家族がもつ「どんなサービスを利用すればいいのかわからない」「どうやってサービスの利用申請を行うと良いのか分からない」という疑問を解決し、適切な障害福祉サービスとクライアントをつなぐ役割を担うのが、相談支援専門員です。

今回は相談支援専門員の仕事内容と、具体的に相談支援専門員はどこにいるのかについて簡単にご紹介していきます。

目次

相談支援専門員の仕事内容とは

相談支援専門員は、障害をもつクライアントの困りごとや不安をサポートできるよう、適切な障害福祉サービスを紹介します。

またクライアントごとに異なる障害福祉サービスの利用量や利用計画をまとめ、実際に障害福祉サービスが支給されるまでの手続きのサポートも行います。

クライアントがサービスを利用し始めた後は、定期的にクライアントの状況確認(モニタリング)を行い、サービス利用量の見直しや、利用サービス内容の見直し・変更などを行います。

相談支援専門員のクライアント

相談支援専門員は障害をもつクライアントに対する障害支援を行っています。

クライアントは主に以下のような方々となります。

  • 初めて障害福祉サービスを利用したいと考えているクライアント
  • 施設や病院を退所・退院した後に利用する障害福祉サービスを探しているクライアント
  • 障害をもつ18歳未満の児童

相談支援専門員の役割は、クライアント一人ひとりにとって必要な障害福祉サービスの内容と利用量が提供されるように調整し、またサービス利用開始後のチェックも行うこととなっています。

相談支援専門員はどこにいるの?

相談支援専門員は、相談支援センターもしくは各種相談支援事業所などの施設に在籍し、障害福祉サービスとクライアントをつなぐ窓口としての役割を担います。

相談支援センターや各種相談支援事業所は、それぞれに対象としているクライアントや仕事内容が異なります。

基幹相談支援センター

基幹相談センターは、各種相談事業所とクライアントを結ぶ中心的な存在の施設です。

障害福祉サービスについて知りたいと考えるクライアントがまずはじめに利用する場になり、クライアントの状況を聞き取ったうえで各種相談支援事業所への紹介を行います。

障害の程度や年齢、現在の状況に関わらずどんなクライアントであっても相談することができる場所であり、各相談事業所からの「対応困難者」とされるクライアントについての相談を受けるケースもあることから、幅広いクライアントに対して豊富な知識をもって接する必要があります。

またクライアント対応の他にも、相談支援制度の中心的存在として人材育成や啓蒙活動などを行うこともあります。

一般相談支援事業所

相談支援業務の中でも、基本相談支援と地域相談支援を担当する事業所が、一般相談支援事業所です。

一般相談支援事業所は、都道府県の指定によって運営されています。

初めての障害福祉サービス利用を希望するクライアントや、施設や病院から地域への生活に移行したいと考えているクライアントの相談支援を請け負い、24時間の相談体制をサポートしています。

特定相談支援事業所

一般相談支援事業所が都道府県の指定による事業所であるのに対して、特定相談支援事業所は市区町村の指定を受けた事業所です。

クライアントからの様々な相談を受ける基本相談支援に加えて、サービスの利用内容や利用料について計画立案をおこなうサービス利用支援や、定期的な状況確認である継続サービス利用支援を行います。

障害児相談支援事業所

障害をもつ児童に対する相談を担当する事業所です。

18歳未満のクライアントに特化して福祉サービスの紹介や利用計画の作成を行い、またサービス利用開始後のモニタリングなどを行うという役割をもっています。

特に放課後デイサービスや児童向け通所サービスとの連携、また今後の環境変化を予測した支援計画の作成など、児童向けの障害福祉サービスに特化した知識が求められます。

相談支援事業所の現状

日本での障害福祉サービスは、近年急ピッチでサービス内容の拡充が行われています。

特に2012年に公布された障害者総合支援法の存在と、2016年に障害者総合支援法の中に定められた自立生活援助などの新規事業、重度訪問介護の充実が図られたことにより、障害の有無に関わらず地域の中で自分らしく暮らすことができる社会の実現に向けてのムーブメントが起こっています。

その動きに呼応するように、2012年時点では2,851ヵ所であった指定特定・指定障害児相談支援事業所の数は、2017年には9,364ヵ所にまで増加しています。

相談支援事専門員の人数も2012年の5,676人から、2017年には19,083人への増加が確認されています。

今後も障害の程度に関わらず、クライアントが自立した生活を送ることができるようにサポートする相談支援専門員のニーズは高まることが予想され、相談支援専門員の勤務先である相談支援事業所も拡大すると考えられています。

【参照】相談支援専門員研修制度の見直しに関する今後の取り扱い(厚生労働省)

相談支援専門員がどこにいるかは、支援の内容によってさまざま!

相談支援専門員がどこにいるのかについて、相談支援事業所の内容を中心にご紹介いたしました。

相談支援専門員が勤務する相談支援事業所は、それぞれの事業所で担当している相談支援の内容に違いがあり、また統括的な存在として基幹相談支援センターも相談支援専門員が勤務できる場所となっています。

どの事業所であっても相談支援専門員には、福祉サービスや地域の特性を理解し、専門性をもって働くことが期待されています。

また今後も広く社会に必要とされるサービスであることが予想され、クライアントへの細やかな対応や利用計画の質の向上がより一層求められています。

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