重度訪問介護従業者とは?重訪を行うために必要な資格は?

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重度訪問介護従業者とは?重訪を行うために必要な資格は?

「重度訪問介護」とは、重度の身体障がい・知的障がいのある人に対し、自宅で暮らすための支援を行う介護サービスです。

「重度訪問介護従業者」と呼ばれるヘルパーは、対象者の自宅を訪問し、衣食住の全てを支援します。
重度訪問介護が必要な障がい者は増加傾向にあり、ヘルパーの需要もその分高まっています。

今回は、重度訪問介護従業者の業務内容と資格取得の流れをご紹介します。
介護に興味をお持ちの方、ヘルパーとしてのスキルアップを考えている方は、是非参考にしてみてください。

重度訪問介護従業者とは

重度訪問介護従業者が支援する対象者は、6つに分けられた障がい支援区分のうち、4~6の認定を受けている重度障がい者です。この障がい支援区分は各自治体より認定されています。

重度障がい者は、身体障がいのみに限らず、知的障がいや精神障がいなどによって行動に著しく困難があり、日常生活のサポートが必要な方を指しています。

重度訪問介護のサービス内容

重度訪問介護従業者はクライアント(ご利用者)の自宅を訪問し、身体介護、家事援助、外出時の介護などを行います。

重度訪問介護のサービス内容は、主に以下のようなものがあります。

①居宅内での援助

  • 食事や入浴、着替えや排泄などの身体介助
  • 調理や洗濯、掃除などの家事援助
  • 買い物など、生活全般の援助
  • 生活等に関する相談及び助言 等

②外出時の援助

  • 移動時の身体介助
  • 買い物のサポート 等

③必要に応じて、研修を受け資格を持った者による、喀痰吸引などの医療的援助も行います。

④重度訪問介護における熟練従業者の同行支援

障害支援区分6の利用者への支援に対し、新任の従業者であるために、意思疎通や適切な 体位交換などの必要なサービス提供が十分受けられないことがないよう、熟練した従事者が 同行してサービス提供を行うものです。 同行支援の時間は、新任従業者ごとに120時間以内

⑤入院時のコミュニケーション支援

重度訪問介護と訪問介護とのちがい

重度訪問介護とは、重度の肢体不自由または知的・精神障害によって、常に介護や見守りが必要とされる人が受けられる障害福祉サービスで、介護保険法の訪問介護とはそもそも法制度が異なるものです。

障がい福祉サービス→重度訪問介護

介護保険→訪問介護

※原則として重度訪問介護と介護保険の身体介護・家事援助の併用はできません。

65歳以上の方または、40歳から64歳で医療保険に加入していて特定疾病によりケアが必要になった場合、基本的には介護保険サービスを受けることになります。

ただし、状況に応じて障がい福祉サービスを利用することが出来る場合もあります。

重度訪問介護は、重度とつくように、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの難病、脳性麻痺、脊髄損傷、重度心身障害、強度行動障害などの重度の障害を持った方が利用されます。クライアントの中には、“喀痰吸引”と呼ばれる痰の吸引や“経管栄養”と呼ばれる、胃ろう・腸ろう等をされている方への栄養注入を含めた“医療的ケア”と呼ばれるケアを必要とする方も多く、研修を行う事により、この医療的ケアを行う事ができる事や見守りもサービス内容として認められている事、8時間以上の長時間の介護になる事も特徴です。

重度訪問介護従業者になるためには

重度訪問介護従業者として働くためには、資格が必要です。

都道府県知事から指定された「重度訪問介護従業者養成研修」を受講・修了することで資格を取得することができます。

自治体主催だけでなく、NPO法人や社会福祉法人などが主催している研修もあります。詳しくは各都道府県の該当ページでご確認ください。

土屋ケアカレッジ 重度訪問介護従業者養成研修 統合課程

研修について

重度訪問介護従業者養成研修では、基本課程・追加課程をどちらも受講し、それぞれ講義と実習を経て修了となります。

前述の障がい支援区分のうち、

・基本課程を修了すると、区分4~5の方へ従事可能

・追加課程を修了すると、区分6の方へ従事可能

とサービス提供できる対象者が分かれているため、重度訪問介護従業者として働くためにはどちらの受講も必須になるということです。

受講に際して特に必要条件はなく、介護未経験の方でも受講可能です。

統合課程について

通常の講座では上記2つの課程のみですが、統合課程ではさらに資格の幅が広がります。

こちらを修了すると、たんの吸引(喀痰吸引)やチューブによる栄養注入(経管栄養)などの医療的ケアまで行えるようになります。

研修終了後、資格を持った看護師の指導の下でサービス提供を行う利用者を対象に実地研修を行います。実地研修に合格した後、都道府県への申請を行い、認定証の交付を受けることが必要です。

また、この医療的ケアも全ての人に対応できるわけではありません。あくまでも、実地研修を修了し、認定証の交付をうけたの利用者に限りますので、こちらもご注意ください。

重度訪問介護従業者の資格取得のメリット

重度訪問介護従業者の資格取得は研修の受講・修了のみで、統合課程であっても最短3日~取得可能な資格です。

以下で資格取得のメリットをご紹介します。

どこでも活用できる資格

重度訪問介護従業者の資格は、都道府県別に定められた研修ですが、資格自体は全国どこでも使用できます。

突然の引っ越しがあったり、長期間休暇が必要となった場合でも、その後すぐに介護職の有資格者として仕事をすることができます。

また、重度訪問介護が必要な障がい者は増加傾向にあり、この有資格者の需要もその分高まっています。

資格取得後、働く場所を見つけやすいのも、嬉しいポイントのひとつです。

介護士としてのスキルアップ

重度訪問介護従業者は、前述の喀痰吸引、経管栄養などの医療的ケアや、身体麻痺を想定した実習を伴うため、通常の高齢者介護とは大きく異なる点があります。

既に介護士としてお仕事されている方でも、重度訪問介護従業者の資格を取ることで、介護士としてのスキルアップが見込めます。

業務内容も「日常生活全般」と幅が広がり、長期的なサポートを前提とした利用者も多いため、すぐに実務経験を積むことができます。

重度訪問介護の資格を取得してキャリアアップを目指そう

今回は、重度訪問介護従業者とその資格についてご紹介しました。

重度訪問介護は、重度の障がいとして認定された患者の日常生活をサポートする仕事です。通常の訪問介護よりも広いサポートを行うため、介護従事者としてのスキルアップも見込めます。資格取得には自治体で定められた場所での研修の受講・修了が必須となりますが、最短3日で取得可能な資格です。

今後ますます需要が高まっていく資格ですので、介護業界での就職や転職、スキルアップをを考えている方は、重度訪問介護従業者の資格を取得をおすすめします。

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