いい距離感とは?
井上翔太
私は、ホームケア土屋北九州事業所の「コーディネーター」として、1年が経過いたしました。
その中で、「クライアントとの距離感」について、多く相談を受けます。
実際に私も、アテンダント時代にクライアントとの距離感で悩んでいた時期もあります。
クライアントとの「いい距離感」とは、どのような距離感なのか?
タイトルにも書かせていただいた通り、「いい距離感」とは、一概に正解はないと思います。
私もいまだに、恥ずかしながらコーディネーターとして「距離感」で悩むこともあります。
お宅に訪問して支援させていただくにあたって、独居の方は特に、「二人きりの時間」が、殊更重度訪問で支援に入っていると、長く、度々あります。
そういった環境で支援していく中で、どうしても「情」が入ってしまうことがあります。
どうしても距離が近くなりがちになります。
この状況がどんな問題を生む可能性があるかというと、クライアントがそのアテンダントに対しての依存心が生まれてしまい、他のアテンダントの案内がしづらくなる事も起こってしまいます。そうなると人員が確保できずにアテンダントにも負担になってしまうことが起こっているのが現状です。
かといって距離が離れすぎると「あの人とは合わないから、一緒にいて気まずいから」などでNGにつながってしまう事も考えられます。
また、もう一つの問題として、そのクライアントのお宅にご家族が一緒に暮らしているケース。この場合、ご家族とも良好な関係を築きたいものです。実際にご家族よりNGを言い渡されたケースも少なくありません。
話は戻りますが、「いい距離感とは何なのか?」という問題ですが、あくまで私たちは仕事としてクライアント、アテンダントという関係で成り立っています。支援に入らせていただいている家族でもありません。言ってしまえば他人なのです。
もちろん人それぞれ人間性や性格がありますので、各クライアントによってここまで近づいていいという距離感や、これ以上近づきすぎてはいけないという距離感はあります。それはコミュニケーションを取っていくうちに徐々につかんでいくものですが、そのつかみ方が苦手な方ももちろんいらっしゃいます。他人感を出しすぎるのも問題につながるケースがあります。
この世にはない変な言葉ではありますが、
「他人以上友達未満」
という言葉が、私の中では、この重度訪問介護について、合っているのではないかと思います。
とても難しいテーマでもありますし、これは重度訪問介護において永遠のテーマでもあります。
私自身、他者にアドバイスを送る側として、正解がないこの問題をいかにクライアント、アテンダントが納得し、なおかつ気持ちよく支援できるように、日々精進していきたいと思います。
プロフィール
井上翔太 ホームケア土屋 北九州
1991年3月16日生32才
福岡県北九州市出身
2022年5月土屋入社
現コーディネーター