贅沢を享受しませんか?~施設介護経験者が語る“重度訪問介護”~
渡邉拓貴
初めまして。ホームケア土屋関東でコーディネーターをさせて頂いております渡邉と申します。
今回は私の過去の経験から感じた事を、今ホームケア土屋でアテンダントとして働いて下さっている方や、これから働いて下さるかもしれない方々へ向けてお話させて頂きます。
私が土屋でお仕事させて頂き始めてから早1年が過ぎました。そんな私ですが、以前は4つの知的障害者施設を運営する社会福祉法人で7年半程働かせて頂きました。
私がいた入所施設は男性利用者25名女性利用者25名、職員は早番・日勤・遅番・夜勤で回していく典型的な施設だったかと思います。全ての施設を合わせるとご利用者は200名を超える比較的大きめな法人でした。
右も左もわからない状態で足を踏み入れた介護業界、慣れない仕事、入所者の生活を守っていく責任、アセスメント?モニタリング?慣れない専門用語。日々の業務をどうにかこうにか文字通り「こなす」日々が続きました。
1年が過ぎ、仕事に少しずつ慣れてご利用者の事を考える時間が増えてきたころでした。
たまたま施設長に声をかけられ「渡邉くん、ヘルパーをやってくれないか??男性スタッフが足りなくてさ」とお話がありました。
率直に「コイツ突然何を言ってるんだ??」と思ったのをよく覚えています。後日ヘルパー事業の責任者から「男性スタッフが足りないんだ、力を貸して欲しい」と業務内容の大まかな説明を受けた後に言われ、「出来るかわかりませんが、力になれるなら頑張らせて頂きます」と施設の中の仕事と外の仕事、二足の草鞋を履く日々が突然スタートしました。
衝撃でした。今となっては当たり前な話なのですが、「施設にいる障害者が全てではなく、地域に暮らしている障害者がこんなにもいるんだ!」と率直に思いました。自分の視野がどれだけ狭まっていたか身に染みました。
当時ヘルパーとして関わらせて頂いたご利用者は20名を超え、一日4件前後、社用車を使って走り回っていました。ある時は家でご飯を作り、ある時は温泉に一緒に入りに行き入浴介助、またある時は病院への通院。結婚式に付き添いで参加するという事もありました。
施設の外と中の仕事を経験していくなかで、私は1対1で関われる居宅介護や重度訪問介護の魅力に惹かれていきました。
大勢のご利用者を限られた職員が見守る施設の仕事。どこか業務がルーティーン化し始めていた施設での自分に対して、その時間は一人のご利用者だけにしっかりと関われる自分…。
なんと贅沢なことだろうか。もちろんマンツーマンが故の責任や、臨機応変な対応力は求められるところではありますが、それ以上に私にとってはマンツーマンで関われるという魅力が勝りました。
私たちアテンダントの仕事はとても責任が多く、クライアントの生活そのものに関わります。
しかし、このマンツーマンで関われるという贅沢、皆さんも是非一緒に享受していきませんか??
その先には悩みもありますが、それ以上の楽しさも詰まっていると思います。