施設を出る人たちの望むものは~私と重度訪問介護~ / 谷あすか

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施設を出る人たちの望むものは~私と重度訪問介護~
谷あすか

ホームケア土屋 茨城でコーディネーターをさせていただいている、谷あすかと申します。私は土屋入社前、指定障害者支援施設で働いておりました。

施設では、意思の疎通や気持ちを表現することが困難、日常生活のすべてに介助を必要とし、身体、精神、知的ともに重度の方とされる方が、かなりの割合を占めていました。

なにをするにも支援員の介助を要することが日常で、施設内の生活の中ではどうしても主体が介助、支援する側になってしまう現状があります。

身体的には重度の障害を持っていても、他は健常者と変わりがない。という方も中にはおられましたが、何か一つのことをするにも職員確保、施設側の許可等々があり、私たちのように好きな時に好きなことを何でも自由にやれるという環境でないのが当たり前のことでした。

普段の生活では意識をすることさえなかった、自分の意志や判断でやれること、やっていることが集団生活をしていると制限される。当然のようにあるのが事実です。

ですが決して施設入所が必ずしも悪いというわけではありません。

家庭の事情や様々な理由が一人一人ありますし、本人の意思で入所するという方もいらっしゃいます。

施設での生活では衣食住は保証され安全ですし、各自治体や嘱託医との連携も取れています。

決まった時間に食事は来ますし、体調不良があれば看護師は常にいます。職員は洋服や体が汚れたらきれいにし取り替えてくれ、なにもしなくても洗濯され清潔になったものがまたタンスに戻っています。

そのようなある意味とても守られた生活の中にいて、何人かの自立した方も見てきました。

また、現在も自立に向けて頑張っている方もおられます。

「施設を出る」ということは、私たちの想像以上に本人にも、そして家族にも、決して楽なことではありません。

小さなものから大きなものまで様々な壁があります。

それでも、それをわかっていても一歩踏み出し求めるものは、「自分らしく生きるという自由」です。

私はそんな方たちのサポートをし、自分の人生を自分らしく生きることのお手伝いが少しでもできればと思い、重度訪問介護という職業を選びました。

一人でも多くの方が重度訪問介護という制度を知り、自分の人生の尊厳を守り、自分で選択し決定すること、自分らしく生きることが、ごく当たり前の社会になってほしい。

そう思いながら試行錯誤や失敗、反省を繰り返し、日々支援に入らせていただいております。

プロフィール
谷あすか ホームケア土屋 茨城

出身地:新潟県上越市
趣味:ショッピング
保有資格:看護師

今年に入って犬を飼い始めました。
私の人生設計に動物を飼うという項目が無かったのですが、飼い始めたらかわいくて仕方ありません。

休みの日は家で映画やドラマを見ていることが多かったのですが、最近はペット用品をネットで見たり、インスタグラムなどで同じ犬種のワンちゃんの動画や写真を見て家族とかわいいかわいいと盛り上がっています。

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