間に合わせる介護と、心の揺らぎを受け止める介護~私の介護経験から~
芳山恵
小学校の頃から養護学校(特別支援学校)との交流会が多々あり、今思えば、結構早くから福祉に興味を持っていたのかなと思います。
中学で、志望校を決める際に先生からの勧めもあり、福祉課の高校に進学、卒業と同時に介護福祉士とヘルパー 2 級を取得、高校を卒業してから特別養護老人ホームで働いていました。実際に働いてみると、学校で友達同士で行う実習とは違い、戸惑うことも多かったですが、上司や先輩は優しい方ばかりで、 1 から 10 まで手取り足取り教えていただいたことで、今の介護技術が身についているんだと思います。
「個別対応を!!」と言われながらも、やはり施設特有の時間に追われる毎日で、日勤2~3人+パート職員での対応が殆どで、パートさんにオムツ交換と見守りを行ってもらいながら、その間に職員はコール対応、ショートステイの方の受け入れや退所準備、バイタルチェック、移乗介助等バタバタ走り回り、食堂での見守りも1人で20~30名対応だったので、順番に水分補給するのが精一杯で、ゆっくり接することはほぼ出来ない状態で、自分で動ける方とは1日会話していないことも多々ありました。
途中異動があり、小規模多機能型居宅介護の方へ移ったのですが、こちらでは比較的ゆっくり対応は出来ていたようには思いますが、訪問や送迎で人手は取られ、やっぱり人手不足になるのは否めず、、、という感じでした。 認知症のあるお年寄り相手だったので帰宅願望の強い方も多く、帰宅時間までだましだましでやっていた事も多くありました。 忙しかったり、なんだかんだ色々ありましたが、好きだったから約17 年も辞めずに続けていたのかなとも思います(笑)
「1 人 1 人とゆっくり接する仕事はないか」と探していた時に、土屋の求人を見つけ応募しました。重度訪問介護に携わっている今、高齢者と障害者の対応は全然違うし、それぞれのご家庭でやり方なども違うので、覚えることも多いですが「 1 対 1 で接するってこういうことなんだな」と感じました。
コーディネーターになり、暫く支援に入っていなかったクライアント宅へ、新人アテンダントの付き添いで行った際に「もう来ないの?」と言われた時は、嬉しかったのを覚えています。大したことは全然していないのに、ちょっとしたことで感謝されたり、必要とされていると感じられるのは嬉しいことです。
これは施設だからとか、訪問だからとか関係なしに、福祉に携わっていたら何かしらで感じることだとは思いますが、、、。
小さな声とは「こうしたちょっとしたことから拾えるのかな」とも思うので、色んな事に気を配りながら支援出来たらなと思います。
プロフィール
芳山恵 ホームケア土屋大分
介護を始めた時期:2002~現在 資格:介護福祉士