キラキラしている人の周りに、人は自然と集まってくる~福祉、介護業界を魅力的にするには~ / 稲垣達也

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キラキラしている人の周りに、人は自然と集まってくる~福祉、介護業界を魅力的にするには~
稲垣達也

楽しめば介護業界の人手不足は解消していく

【僕が飛び込んだ「薄暗い福祉」の世界】

高校卒業前「福祉の大学に行かせてほしい」と両親に申し出た。両親は何も言わなかったが、なぜ専門的な知識や技術がさほど求められない福祉の世界に息子は飛び込むのだろう?と両親は思っていたんじゃないかと想像する。

当時、職を無くしたサラリーマンや不祥事を起こした芸能人が介護の仕事に就くこともあり、「仕方なく参入する業界だ」と、世間に認識されていた。僕は自分の選択が世間から馬鹿にされているようで悔しく、歩む道を間違えたのではないかと、本気で悩むこともあった。

大学を卒業し、働き始めてから福祉に対するネガティブなイメージは加速した。目的もなくただ仕事をこなす人や、「疲れた」など愚痴を吐く人が多かったからだ。

僕は、福祉介護の世界に落胆するとともに、「あること」に気が付いた。仕事を楽しめていない人が多いことに。

【楽しさを体感しづらい業界】

福祉介護の仕事は、営業のように明確な結果が数字で出るわけではないため、自分の能力を認識しづらく達成感も得にくい。意思を発せるクライアントも多いとはいえず、顧客からの評価を感じづらい傾向にある。

未経験で参入した人は目の前の業務をこなすことに精一杯。覚えることは多く、仕事を楽しむ過程に至らず退職する人を目の前で見てきた。

「働いている人が『キラキラしていない』業界に、人が集まってくるわけない」そう思い、僕は福祉介護の仕事の楽しさを共有したいと感じるようになった。

食事介助やオムツ交換などの支援は、「流れ」で捉えてしまうと作業になってしまうが、一つひとつの行動に意味があり価値がある。根拠を考えて取り組むと、一層楽しさを感じるようになっていく。

【自分が楽しむこと】

ひと時代前、子どもが「将来なりたい職業ランキング」の上位は公務員だったが、近年ではユーチューバーが上位に入ってくるようになった。満員電車に揺られ、休日は倒れるように眠るお父さんよりも、笑顔で好きなことをしているユーチューバーに魅力を感じるのは当然といえば当然だ。

これを例に見れば、楽しさを伝えるには自分が楽しむのが最も効果的だとわかる。もし仮に、介護に携わる人全員が「笑顔」で過ごしていたら、数年後の子どもがなりたい職業ランキングに、介護職が入り込んでくるかもしれない。

給与や待遇なども影響しているが「携わっている人が楽しめていない」のが、介護業界から人を遠ざける大きな理由だ。キラキラしている人には、勝手に人が集まってくるのだから。

介護業界を魅力的にするため、僕は今日も楽しむっきゃない。

プロフィール
稲垣達也 ホームケア土屋 関東

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