社会性、経済性、そして人間性について
尾上真奈花(ホームケア土屋 大分)
小さな子ってワンピース着せてたらいきなり人前で自分のスカートめくってお腹見せたりしませんか?
でもある程度の年齢がいくと外ではそんなことしなくなります。(家の中ではしてるかもしれませんが、、、、。)
それは学校等へ行きだして【社会性】を学んでいっているからです。
人はプライベートな時と社会(他人と居る時、外に居る時)に居る時では違う行動を取るものです。
社会にいるときは自分をある程度律して生活しますし、世間体、常識に沿って行動しよう、それこそ常軌を逸した行動をしないようにするものです。
人は社会的な生き物なので。
さて、介護をしていると常軌を逸した人によく出会います。
それは単に認知症の症状によるものや障害による性格変化だけではありません。
「えっ!そんなことするの?」「それで大丈夫なの?」
と驚くことは日常茶飯事ですが、人は誰しも自分では気づいてないかもしれませんが、自分らしいスタイルや生活リズムを必ず持っています。
そういったことをその人の生活史として受け入れて尊重することに介護職としての専門性があります。
私たちは教科書などで“個別性”や“その人らしさ”を支援するように言われて、それを目指しているはずです。
しかし、逆に常軌を逸しすぎていることで、周りからおかしいとみられるようであれば、「社会的な生き物である人」というその人らしさを支援しているとは言えません。
ですから、その人らしいままを支援する工夫が介護職には求められます。
人は自分の生活スタイルに基づく“その人らしさ”と、常識や世間体から外れないように生きようとする“社会性”があります。
介護を必要とする人たちは、その両者を保とうとしながら、それでも思うようにできずに葛藤したり苦しんだりしているのです。
どちらかを尊重しすぎても、どちらかがなくても“人間として生きるその人らしさ=社会的その人らしさ”を支援しているとは言えません。
その両方を支援していくことで、本当の意味でその人らしさが支援できると思います。
しかしながら、最終的には人は自分だけの“その人らしさ”に還っていきます。
社会性はほとんど無くなっていきます。というか必要なくなっていくと言った方が良いかもしれません。
その人らしさを必要としている人に、いつまでも社会性をあてはめたりすることはナンセンスです。
しかし、まだまだ社会性を求めようとする人に、そのままでいいんですよ。と支援してもこれまたナンセンスです。
その見極めも大切な介護職の力量として問われていると思います。
そしてなかなか書きにくい経済性です。
介護業界に参入している企業はかなり多くありますが、2020年3月期の決算発表によると、業界トップのニチイ学館の売上高は2979億円ですが、介護事業に限った売上高は1537億円。
2位のSOMPOケアグループは1284億円、3位のベネッセホールディングスは1229億円となっています。
土屋はこれからもっともっと大きくなる会社ですし、ソーシャルビジネスを掲げています。
ソーシャルビジネスとは社会問題の解決にボランティアとして取り組むのではなく、ビジネスで得た利益で持続的に取り組むというものです。
このソーシャルとビジネスはバランスが大事です。
“社会性” “人間性”を大事に全員が同じ質の支援をしていれば、クライアントはそこを評価します。
そして土屋の名前がいい意味で一人歩きしてくれると、まだ出会っていない「小さな声」に出会うことができます。
この「小さな声」に出会っていけば、自然とソーシャルビジネスを遂行できるのではないかと私は思います。