「視覚障害者のメイクについて」
水島めぐみ
前回、視覚障害がある私の経験から感じていることをつぶやいてみました。続いて、視覚障害者が工夫しながらメイクすることを「ブラインドメイク」と言ったりもします。
今回は、どんな風にメイクするのか簡単に話してみましょう。
化粧品の色味は、プロや家族や親しい友人に、似合うものを聞いたりしながら決めている方が多いと思います。
化粧水や乳液・クリームは斑になることもないし、目立たないので心配することなく使えます。
ファンデーションはスティックタイプではなく、パフに粉を付けて塗る方が斑になりにくいようで、スポンジよりもパフを使用する方がさらに斑になりにくいようです。
パフに付ける粉の量も、左半分に使う3擦りと決めて塗り、右半分も同量擦り取り塗ります。
チークもブラシをねかせて擦り取る回数を左右同じに決めて塗ると、濃さの違いを防ぐことができます。
見える方なら、擦り取る時に無意識にして塗りながら「もう少し濃く」とかでさらに擦り取ることをするのではないかと思いますが、見えない私たちにはそれが難しいので、「薄い時は」「濃い時は」と何回擦り取るかを決めて塗るようにしています。
口紅やアイシャドーなども取る時や塗る時の回数も同様です。ファンデーションと違うのは、アイゾーンからはみ出さないように気をつけないといけないので、ちょっと緊張気味です。
でも慣れたら2色使いしたりも可能になります。
アイシャドーやマスカラを塗る時は、利き手とは逆手を使ってゾーンの上下左右の端に指を当ててブロックして、そこからはみ出さないようにして塗っています。
簡単に話してみましたが、ブラインドメイクがイメージできましたか?
万一、視覚障害者が化粧崩れとかはみ出していたりしたら、勇気はいるかもしれませんが、そっと耳打ちしてあげたり、お手伝いしてあげていただけたらなぁと思ったりします。
逆に上手に化粧できていた時も賞めていただけると次への自信に繋がると思います。
—以上—
◆プロフィール
水島 恵
水島 恵(59歳)
岡山市在住
視覚障害(先天性緑内障)
岡山県UD推進アンバサダー
指圧・あん摩・マッサージ師
着付け1級(認定)
趣味は編み物、料理(特にスイーツ)、カラオケ、旅行、和装、講演・講座巡り