秋バテ
雪下岳彦
「バテ」というと「夏バテ」のイメージが強いですが、夏から秋に移行するこの時期には「秋バテ」も起こります。
暑かった夏の疲労が残っているところに、日々の気温差や朝晩と昼の気温差、秋雨前線や台風などによる気圧変化が重なり、体に強いストレスがかかります。
それにより自律神経のバランスが乱れて、だるさや眠気、食欲不振ややる気が出ないといった症状が起こってしまうのです。
こういった秋バテに対しては、まず生活リズムを整えることが大事です。
ちょっと涼しくなったからと夜遅くまで活動したりして、生活リズムが乱れると秋バテにつながりやすいので、毎日のペースはなるべく一定にするといいです。
秋バテ対策には睡眠が最も重要なので、睡眠時間をしっかりと確保するようなスケジュールを組みましょう。
そして、軽めの運動も効果的です。
運動は自律神経のバランスを整えるのに効果が高いです。
運動の内容は少し息が上がるくらいのウォーキングや、ゆっくりとストレッチをするくらいで十分です。
こういった運動は全身の筋肉を緩め、血流を良くして、いい睡眠にもつながります。
一方、秋バテの時は、激し目の筋トレは避けた方がいいでしょう。
筋トレは交感神経を刺激するため、夕食後に行うと睡眠に悪影響が出やすいです。
秋バテでだるさがある時は集中力も欠けやすいので、思いがけない怪我のリスクも高まります。
まずは秋バテを軽減させてから、筋トレを行うようにしましょう。
やはり、季節の変わり目は体調が安定しないものです。
くれぐれも気をつけて、無理をしないようにして、楽しくいきましょう!
プロフィール
雪下 岳彦(ゆきした たけひこ)
1996年、順天堂大学医学部在学時にラグビー試合中の事故で脊髄損傷となり、以後車いすの生活となる。
1998年、医師免許取得。順天堂医院精神科にて研修医修了後、ハワイ大学(心理学)、サンディエゴ州立大学大学院(スポーツ心理学)に留学。
2011年、順天堂大学大学院医学研究科にて自律神経の研究を行い、医学博士号取得。
2012年より、順天堂大学 医学部 非常勤講師。
2016年から18年まで、スポーツ庁 参与。