旅企画「MATAたび」第1弾実施②コロナ禍の葛藤 / 櫻井純

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旅企画「MATAたび」第1弾実施②コロナ禍の葛藤
櫻井純

2021年12月12日(日)、ホームケア土屋鳥取にご協力頂き、土屋・SDGsチームの旅企画「MATAたび」第1弾を実施しました。

前回のコラムで「MATAたび」の始まりから準備までを書かせて頂きました。

そして今年の秋頃、いよいよ「小さな声」を募集開始。

SDGs推進室全国支部会メンバー、池田憲治さんより、コロナ禍で修学旅行が中止になったけれど、無理がない範囲で外出を希望されている方がいると報告がありました。

治療や検査のための病院生活や在宅でも安静や身体的なケアが必要など身体的な外出困難。

闘病生活が継続的に続くことで就労が困難になったり、高額な医療に生活が圧迫される経済的困難。

いろんな要因に加えてコロナ禍では、特に難病者にとっては感染リスクが高く感染した際の症状が未知数で不安要素が大きく外出自体が制限される困難。

いろんな状況を自分自身が一番経験してきた中で、今回第一弾のクライアント・ご家族に、コロナ禍で失われた外出機会の回復や想い出作りの機会を応援させて頂くことに決まりました。

夏に一旦コロナの感染者数は減少し緊急事態宣言が終わりましたが、当時ホームケア土屋鳥取でクライアントの支援は始まったばかり。

まだまだ未知数な部分もあり何度も池田さんとやり取りしながら打合せを繰り返しました。

10月19日、今回第一弾のポイントになる憧れていたスポーツカー、日産スカイラインGT-Rを見て焼肉が食べたいと初めて具体的な外出の希望を伺いました。

後にこのスカイラインの車種がGT-R 2.6VスペックⅡ4WD 2001年モデル (ニスモスポーツリセッティング ニスモインタークーラ&オイルクーラキット&ラジエタ&ZtuneタイプFバンパ&スーパーカッパーミックスツインクラッチすべて純正部品当時のニスモ箱に保管) で、限定生産であり超貴重で超高価なことを知りました。

11月25日、スカイラインGT-Rに加えてレクサスも見学したいと追加の希望があり、旅の概要がだんだんとまとまってきました。

いよいよ交渉開始!まったく旅企画の趣旨や事情を知らない企業宛てに車を見せてほしいと問い合わせ。

スカイラインGT-Rはそもそもお店が休日の日であり、保管状態を保つために厳重に保管されていることを知り。

レクサスは急には責任者に繋がらず一度確認。

後日12月1日、スカイラインGT-Rは晴れたらという限定条件付でお店を特別に開けて頂けることになり、12月3日レクサスも何台か見学させて頂ける運びになりました。

夢だったスカイラインGT-Rが見れるかどうかが決まるドキドキの1週間。

実施3日前時点では曇り予報でなんとかスカイラインGT-R見学のOKを頂きました。

しかしながら、冬の天気は変わりやすく実施日の前日には曇りのち雨予報。

見学先から確認電話があり中止になってしまいそうと諦めかけましたが、天気任せでイチかバチかOK頂き、実施に向けて前日から鳥取に向かいました。

つづく・・・

プロフィール
櫻井 純(さくらい じゅん)

1987年 兵庫県加西市生まれ

12歳で急性散在性脳脊椎炎を発症。26歳で10万人に1人程度の割合で発病する慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症。29歳でシャルコー・マリー・トゥース病の診断を受ける。

常に治療リハビリが必要で一般就労が難しい状態から社会参加への強い想いを持ち、2016年難病障害当事者が運営する旅行会社櫻スタートラベルを起業。当事者目線で障害や疾患に配慮する旅行や働き方の取り組みが、産経新聞 ・The Japan Times・朝日新聞で紹介される。ジャパン・ツーリズムアワードビジネス部門(ユニバーサルツーリズム)連続入賞。

重複障害による筋力低下・感覚低下・激しい痛みがあり、現在も年間約120日程度入院やリハビリを継続。難病や障害の相互理解を促す活動として講演活動・失語症者向け意思疎通支援を行う。目に見えない障害や複数の難病と向き合う当事者の立場から、誰もが希望を持てる優しい社会づくりを目指す。

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