マルチタスクの罠ー成果を生み出すにはー
藤田賢人(ホームケア土屋 岡山)
成果を生み出すためにはまず、最初に自分に求められている成果を考える必要があるだろう。
1つの組織でも様々な立場があり、能力や考え方、適正に違いがあるため、様々な要素と段階的な思考をもとに、自分に求められている・求められる成果を見出さなければならない。
そして考え始めると重要な仕事が大量に出てくる。
そしてそれらをなすために時間・労力・資源をいかに配分するのか?配分するための時間・労力・資源をいかに捻出するのか?と思考を巡らせる。
ここまで考えていて、ふと多くのなすべき仕事があるなかで、ある程度の順位付けをし、マルチタスクにこなそうと考えていることに違和感を感じた。
多くの求められている成果にはある程度の優先順位があるのではなく、確実かつ絶対的に優先順位があり、それをこなすためにはマルチタスクに行うのではなく、すべての時間・労力・資源を集中させてシングルタスクで行うことが最も効率的かつ効果的であると考えた。
仮にこの成果を個人で達成できるもので過程した場合、Journal of Experimental Psychology に掲載された、David Meyer 氏らによる2001年の研究では、マルチタスクは40%もの生産性を下げると研究者は示唆している。
また、スタンフォード大学の Clifford Nass 氏は2009年の調査で、マルチタスクを行う人々が、雑多な情報のなかから、適切な情報を選別する能力を低下させていると発見した。
イギリスの心理学者 Glenn Wilson 博士も、マルチタスクでストレスレベルが過度に上昇すると、IQ(知能指数)を10ポイント低下させるため、問題解決能力を低下させると語っています。
それに、ストレスホルモンのコルチゾールが脳内に増加すると、記憶力の低下にもつながるそう。
これらよりシングルタスクで仕事に取り組むことで効率的かつ効果的に仕事ができると考えられる。
では次に成果をチームで上げる場合ではどうだろうか。
チームで上げる成果とは最終的な成果の前には複数の段階的な目標が存在し、その目標はそれぞれ異なったスキルや知識が求められるだろう。
それを個々の適正を加味して割り振りすることで、現状ある選択肢の中で最適化し、最も効率よく目標達成に向かうこと(シングルタスク化)が大切であると考える。
そしてそれらが達成されたとき最終目標の成果が生まれる。
個人としてもチームとしても1つの成果を生むために時間・労力・資源を集中させるということが成果を生み出すために大切なことだと私は考える。