成果を生み出す人を増やすことが私の成果です
荒井大樹(ホームケア土屋 習志野)
「成果」に似た言葉で「結果」がある。成果と結果はどう違うのか?
「結果」は最終的な状況として良い場合も悪い場合も含まれる言葉。
「成果」は良い結果のみを指す言葉である。
今回のテーマである「成果を生み出すために」という言葉は、言い換えれば「良い結果を生み出すために」と解釈することができる。
私たちの仕事にとって「成果」とは何か?
ソーシャルビジネスとして社会的問題を解決すること、クライアント(利用者)のQOL(生活の質)を向上させること、質の高いアテンダント(ヘルパー)を育成すること、従業員満足度を高めること、事業所の売上を上げること…etc.
私は事業所の管理者として、こういった成果を生み出すためのプロセスを組み立てて、実行していく必要がある。
では具体的に何をすればよいのか?
ヒントは土屋の「バリュー」にすべて書かれている。
基本的に介護の仕事は「人」がすべてである。
一番やってはいけない方法は「自分だけがやること」で、これはリーダーが陥りやすい問題でもある。
たしかに自分でやるほうが時間も速いし、信用できるし、責任も取れる。
人に何かを教えて任せるというのは時間もかかるし、不安やリスクが付きまとう。
しかし自分ですべてやってしまうと、目先の成果は上がるかもしれないが、それ以上に広げていくことはできない。
なぜなら自分の体は1つしかないからだ。
逆に時間をケチって丁寧に教えずに中途半端な状態で任せてしまうと、後々大きな問題に発展する。
これは信頼を失うことにつながるし、悪い結果しか生まない典型である。
人を育てるということは時間がかかる。
でもその時間は成果を生み出すため投資として捉えないと先に進むことはできない。
バリューにはこう書かれている。
「あらゆる人間関係の基盤は信頼、まず自ら信頼を提示しよう」
「深く聴こう、丁寧に語ろう、できるを認め合い、できないを語り合おう」
「対話こそ生命線、責めなじることは禁物です」
人に何かを教えるということは、自らを信頼してもらい、相手を信頼し、対話を重ねて認め合うことである。
技術を教える場合は、同時に根拠も伝えなければならない。
そこを端折ると表面的な成長しかしない。
つまり中身の詰まった人材を育てることが重要である。
最終的に成果を生み出すのは人の力であり、人材なくして成果はない。
そして成果は突然出るものではなく、いかに丁寧な過程を辿るかというプロセスに意味がある。
急がば回れという言葉があるように、目先の結果に捉われず、最終的な目標を定めたうえで、そこに至るまでの道程を大切にして仕事に取り組んでいきたいと思う。