社会性、経済性、そして人間性について
萩野繁俊(ホームケア土屋 秋田)
私は時々、ネットサーフィンを嗜むのですが、ある日とある看護師お悩み相談系のBBSにたどり着き、その内容に深く考えさせられました。
相談者である経験豊富な看護師の切実な悩み。
その内容は【長年勤めた病院を退職し、医療系一般企業に転職した際、周囲から「看護師は社会性がないから」と言われ、思い悩んでいる】という相談内容でした。
その悩みに対する反応は殆どが「看護師は社会性がない」に合意する意見を占めておりました。
看護師は命を支える技術職であるため、プライドを持って従事するような教育を受けます。
少なくとも私は看護学校で、責任と誇りを持つよう教わりましたし、実際に病院で働く先輩方も、模範的なマインドの方々でした。
そんな病院内では、外来受診患者数や入院患者数、施設維持費や人件費など、収益や経費を気にする看護師は、ほとんどいません。
それは病院の事務員や経営者の院長が考えるものだと、完全に住み分けしているのが当たり前の状況でした。
(あくまで私の経験した病院での話のみですので、語弊があるかもしれません)
さて、この相談者の看護師さんの悩みである「医療系一般企業」はどうでしょうか。
一概には申し上げられませんが、企業であるならば、ある程度の利益を求められます。
利益を求めるという点に関しては、一般的な企業での、いわゆる「社会性」は看護師という技術職の性質上、持ち合わせている人は少数派なのかもしれません。
とはいえ、自ら進んで企業への入社を決意したのであれば、持ち合わせていないからこそ身につける必要はあると思いますし、持ち合わせていないという事実を認識し、いわゆる「無知の知」を知ることこそ、自らの人間性の成長につながると、私は考えるのです。
郷に入っては郷に従う、という考え方は、ポジティブに変換し
「郷に入って郷を知り、郷の理を身につければ人間性が上がる」
といった感覚、考え方のほうが私は好きですし、そんな生き方を目指したいとも思うのです。
私が思うに、いわゆる人間性の高い人とは、視野が広く、ポジティブな思考で、人からの信頼が厚く、気配り心配りができ、しっかりと人の話も聞き、などなど、挙げればきりがないほどで、いわゆる「理想の人間性」を完璧に持ち合わせている人はいないと思います。
ただ、人間性が完璧に備わっている人はいないにしろ、その人間性を思い描き、そこに照準を合わせて目標にすることはできるかと思います。
私も、そんな理想の人間性を思い描き、それを目標に精進していきたいと思います。