どんな人も旅に夢や希望を~病室から再出発~
櫻井純
今話題の人を紹介するコーナーにて「どんな人も旅に夢や希望を 患者や障害者が参加できる旅を企画する 櫻井純さん」と旅行活動や各種障害支援の活動について全国の新聞紙面に掲載頂きました。
ユニバーサルツーリズムの活動が基礎疾患者を感染リスクに晒すことへの批判から、みんなに障害者や病者の旅行について知って頂く大きな機会を失い始まった2021年。
難病と向き合う日常で介護や医療を必要とする生活は逼迫する中、生活時間の多くを病院で過ごす私が外に出て働くことで、失われた病者や各種障害者の社会参加の機会・健康・尊厳の回復に動いた1年でした。
パラリンピックの開催により障害理解が促進する中でも、コロナ禍では難病や障害等により生活場面で困難を抱える方の多くは自立が難しい現状。
病院や施設で面会禁止になり孤独と向き合う方、ご自宅で孤独を抱えてる方の現状を伝えていかなくては!
私自身が動くことで難病者や障害者への理解が促進されればと、感染リスクを顧みず、旅行・介護・教育の現場に立ち続けて寄り添うこと続けた1年。
病気・障害等により配慮が必要な方も、コロナ禍でも人と触れあう温もりや生きる希望をもてる社会を諦めず動き続けています。
コロナ禍で経営が厳しい状況下、幸運だったのは旅行業の仲間が闘病の合間に働く機会を作って無事を見守ってくださったこと。
結果的に医療も働くことも諦めない生活を続けながら、旅行業従事者の皆様と働くことで難病や障害について理解が広がり始めました。
観光地では実際に旅行されたお客様に優しいおもてなしが提供され、宿泊施設等での障害雇用が促進されています。
また車椅子での旅行添乗、学校や企業での障害教育活動、医療者と協力して行う失語症者の意思疎通支援、コロナ禍で現地に足を運び支援する活動は多くの方が応援してくれています。
活動が新聞やTVやニュースに取り上げて頂いたことは、闘病仲間の希望や理解に繋がり嬉しく思いました。
最近はSDGsの観点から旅の課題を継続的に解決することを目指し、旅企画「MATAたび」実施に向けてSDGs推進室メンバーと議論を重ねる時間にワクワク。
土屋の取組みでアテンダントとクライアントやご家族の関係性が深まること、旅行・医療・介護分野で連携しながら、誰かの外出への第一歩をみんなと応援する日々を大切に感じています。
難病者にとって旅することは、移動・食事・排泄・更衣・医療的ケアなど、身体的にも精神的にも経済的にもあらゆる社会的課題が多く、確実な要素が多い難問。
私自身も闘病を続けながら誰かの希望を叶えようと動いていますが、どれだけ準備をしても完璧はなく、難しいことが大事な視点だと考えています。
絶対的な答えがないからこそ、みんなが課題解決に向けて考え寄り添える時間が生まれるはず。
病室で治療しながらもみんなとお仕事で繋がっていける、そんな日々に感謝しております。
<電子版新聞掲載 要会員登録>
10月19日 福井新聞
10月21日 富山新聞
10月24日 北海道新聞朝刊
10月29日 山梨日日新聞
他、京都新聞朝刊・南日本新聞朝刊・神戸新聞朝刊・東京新聞朝刊の各電子版にも掲載
プロフィール
櫻井純 (さくらい じゅん)
1987年 兵庫県加西市生まれ
12歳で急性散在性脳脊椎炎を発症。
26歳で10万人に1人程度の割合で発病する慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症。
29歳でシャルコー・マリー・トゥース病の診断を受ける。