見えにくい中での妊娠・出産・子育て⑬
水島恵
次男は視覚・知的・自閉スペクトラムとトリプル障害ですが、地域の公立の保育園・小学校・中学校に通うことができました。高校進学は前提でしたが、特別支援学校(盲学校か養護学校か)のどこに行くかずいぶん悩みました。
盲学校も養護学校も我が家から距離的には同じくらいで、車だと10分くらいの所にあります。
岡山では盲学校は県内に1つしかないため寄宿舎がありますが、養護学校は市内でも何カ所かあるので通いが基本です。
どちらにもスクールバスはありますが、盲学校の方は学校から岡山駅方面の西向き方面しかなく、我が家は東にあるために利用はできませんでした。
ですから、自力で路線バス通学するか寄宿舎に入るかの選択になります。
一方、養護学校は数台のバスがあり、我が家が利用できるバスが2方面走っています。
この通学条件では、次男がバス停まで自力歩行できないため、毎日ヘルパーさんとの歩行になります。
これが、盲学校を選択した時に寄宿舎に入りたくない場合と、養護学校を選択した時に重要な問題になると思いました。
通学条件以外では、高卒後の就労先の選択肢の幅の重要性も感じておりました。
盲学校は歩行訓練や指先を使う日常作業の機能訓練など、視覚障害を補う訓練を重要視した教育専門で、養護学校ではその部分の経験値がほぼないと思われました。
重複障害で視覚障害がある場合、盲学校を選択するというより盲学校在籍を強制される感がありました。
私が知るケースでは、全盲聾で知的障害も持つ場合、たらい回し的で盲学校に落ち着いたケースがありました。
その他の知るケースからも、視覚障害がある重複障害児は盲学校在籍するのが当然のような認識でした。
だからといって次男を当たり前に盲学校へ進学させるつもりはなく、どの部分の訓練を重要視したいのか、学卒後どうしたいのかをじっくり考えて、どちらの学校を選択するか決めたかったのです。
絶対、教育委員会などの思惑に流されたくはありませんでした。
次男は在籍中や将来のイメージが持てず、どちらかの学校を選択するのは難しいようでしたが、保育園時に訓練に通っていたこともあり、盲学校には知っている先生がいる安心感があったようでした。
悩みに悩んだものの受験校決定期限になっても絞れなかったのですが、幸いにも試験日が重ならなかったため両方受験することになりました。
盲学校側では、受験することで「やっと来る気になったか」と入学を確信していたそうです。
一方養護学校側では「どこまで要望に応じられるかわからない」と直接言われたので歓迎されていないようでした。
試験当日に各学校の先生方の雰囲気も感じながら、次男の様子を見て決定することにしましたが、どちらの学校の先生方の雰囲気も特に差を感じることなく、決め手にはなりませんでした。
再度、本当に学校を決める期限が来て養護学校を選択したのです。
「どこまで要望に応じられるかわからない」と言っていた学校も、入学が決定すれば、教育委員会と共にできる事を可能な限り急ピッチで遂行したと思われます。
入学式に行ってみたら、盲学校から養護学校高等部へ転任された先生が1年生の主任として着任されていました。
盲学校は生徒が少ないので1対1の指導も推測できましたが、養護学校は1学年約10人に対し3~4人の担任が着任されていて、コミュニケーションの環境を考えれば選択に間違いなかったと感じました。
高等部3年間の話は次号へ続きます。
◆プロフィール
水島恵
水島 恵(59歳)
岡山市在住
視覚障害(先天性緑内障)
岡山県UD推進アンバサダー
指圧・あん摩・マッサージ師
着付け1級(認定)
趣味は編み物、料理(特にスイーツ)、カラオケ、旅行、和装、講演・講座巡り






