見えにくい中での妊娠・出産・子育て⑩
水島恵
次男の時は、同じ保育園から入学した子どもが多数クラスメイトになりました。それが心強く、嬉しかったものです。
その安心感は、入学式当日に実感することになりました。
入学式当日というものは、大抵の場合、親子共々いそいそバタバタするもので、我が家も当然そのような状況でした。
私は長男の保育園入園式から次男の中学卒業式まで、和服で参列していましたので、早朝から着付けに時間を要したり、朝食の準備でバタバタでした。
それでも次男が平常心でいられるように、できるだけバタバタを悟られないように努めました。
自分で着付けるので美容室まで出かける必要がなかったのが幸いでした。
数ヶ月前から言い聞かせていても、初めての環境に入ることや、通学も初日で想定外が起きたらという心配などもあり、早め早めの行動を計算していましたが、結果的に数分遅刻して教室に入ることになりました。
入学式の説明を担任がしていました。
次男が私の手を離れ、補助教員と机に向かおうとしたところ、味わったことのない雰囲気に不安を感じたのか、教室の真ん中辺りで座り込み、声を出してしまいました。
同じ保育園以外の保護者は、きっとびっくりしたり、「支援学級の児童だから、この場だけのことだろう」と思っているだろうと、私は感じました。
補助教員が「どうしよう」と思われたであろうその瞬間、同じ保育園だった男子2人が同時に次男の脇を抱えて、机の方へ引っ張って行きました。
私は思わず「ありがとう!」と声を出しそうになりましたが、後で保護者を通じて感謝をお伝えしました。
これから次男が戸惑うようなことがあれば、この2人を見て、いろんな形の手助けをしてくれるクラスメイトができていくのだろうと、心強く感じた入学式でした。
担任と補助教員も「子どもたちが頼りになる」と言われていました。
保育園時代の担任や園長先生方も、入学式を含め学校生活を気に掛けてくださっていて、他の保護者からも次男や卒園児の情報を入れて励ましていただきました。
次男が4年生の時、担任から次のような相談を受け、学級の様子とクラスメイトとの関係性を知ることができました。
「例えば次男さんが何かを落としたりした時、女子はすぐに拾ってあげるという手助けをするのですが、それを見た男子は自分で拾えるように見守るのが良いと言うのです。担任としてどのように指導するのが望ましいと、保護者として考えておられますか?」と尋ねられて、少しびっくりしました。
かなりベテランの担任だったこともあり、教員が保護者に指導を仰ぐなんて想像もしていませんでしたから、驚きました。
内容については迷うことなく、「どの子の考えも行動も間違いはないし、関わり方が変わってもおかしくないし、それが今の次男との関係性だから、先生はそれを把握して見守っていただければいいです」とお返事しました。
この話を友人にしたら、「水島がよほど怖いか?」と笑っていました。
長男・次男ともに担任にも恵まれたと感じ、いじめられることもなく義務教育を過ごせたことは幸いでした。
2人が社会に出た時、人を信頼できる大きな核になっていると感じています。
◆プロフィール
水島恵
水島 恵(59歳)
岡山市在住
視覚障害(先天性緑内障)
岡山県UD推進アンバサダー
指圧・あん摩・マッサージ師
着付け1級(認定)
趣味は編み物、料理(特にスイーツ)、カラオケ、旅行、和装、講演・講座巡り






