障害者と性 障害者専門風俗というお仕事を知って~ 聞き届けられない「小さな声」はあるか ~
上原侑子
*編集注:本コラムは一部の事例で、性の問題は家族ごとに大きく異なります。
あくまで漫画が題材であり、制度外の民間の取り組みです。是非を論じる意図はないことをお見知りおきください。
いきなりですが、障害者専門風俗という言葉を聞いたことがありますか?
私は漫画が好きでジャンルを問わず色々読むのですが、最近その障害者専門風俗を題材にした漫画に出会いました。
私自身、重度訪問介護という障害のある方に関わるお仕事をしていますが、初めて耳にするその言葉に驚き、言葉の意味は理解できるのにぱっとイメージが湧かないことにも驚いた、というより、そもそも私の意識の中に“障害者の性”というものがあまりなかったことに気付かされました。
これまでも、止むに止まれずヘルパーや親御さんが障害を持つ方の「性欲処理のお手伝いをしてしまった」というようなお話を、耳に挟んだことはあります。
ですがその時の私は『あらーそうなんだ、やっちゃいけないにしても対応が難しい所だよねー』ぐらいにしか考えていませんでした。
ところがこの漫画を読んでみて、本当に色々な立場や境遇、思想の方がいて、それぞれに性に関する悩みがあるんだと、風俗といっても単なる性欲処理ではなく、その全てを受け入れ包み込むような、私達とは違った角度から障害者の支えとなるお仕事があるんだと、今まで知らなかった世界が開けたような気持ちになりました。
そしてきっと私と同じように障害者の性に関して深く考えたことのない方もいらっしゃるかもしれません。
少しでもそんな誰かの考えるきっかけになれたら嬉しいなと思いこのコラムを書いています。
さて、漫画の中のお話に戻りますが、性欲に関しては障害当事者だけでなくそのご家族も悩まれている場面が多々ありました。
もちろん、障害のある方やそのご家族の感じ方や向き合い方は本当に様々だと思うので、あくまでも漫画の中で描かれていた事例ではあるのですが、
例えば知的障害や発達障害がある子が思春期にさしかかった時にどうやって性欲の発散方法を教えるのか、教えても理解できるのか、悩んだ末に他人に迷惑をかけるよりはと母親が我が子の性欲処理をしてしまうといった事例も珍しくはないとのことでした。
私はそれも、私達のお仕事のように身体介助や家事援助は当然のようにサービスとしてあるのに、この障害者専門風俗のようなサービスがあるということ自体が浸透していないからではないかと考えました。
もちろん風俗ですので利用するにあたり料金が発生し、当事者の方々が実際に利用したくても自由に使えるお金がどうしても少ない傾向にあるというのも1つの問題かと思います。
かといっていきなり大衆に向けて性に関するお話をするのはまた違うと思うし、介護保険や障害支援のように行政がお金を出して整備するというのも中々難しそうだし、それならやっぱりまずは実際に介護に関わる人間がそういったものがあると知っておくだけでも大分変わってくるのではないかと考えました。
そしてこれもある意味土屋のミッションである【探し求める小さな声を】に繋がるのではないかと感じました。
いつかその小さな声が当然の悩みとして受け入れられ、その悩みを解消する選択肢も当然のように誰かの側にある日がくると良いなと、そして私もその一助になれたらと思います。






