「点字ブロックについて 第2段」
水島恵
今回も点字ブロックに絡んだ話の続きをします。
その前に、点字ブロックに関して考えている私のところに、偶然とは思えない事があった話です。
先日、岡山県主催のセミナーがあり出席しました。
その時、私と同様、視覚障害者でUDアンバサダーの方から点字ブロックのお煎餅をいただきました。
その方にコラムの話をしたわけでもないのに。
ちょっとびっくりと、「点字ブロック」というアンテナを張っていると点字ブロック絡みが寄って来るのか!?と、納得みたいなものを感じてしまいました。
ちなみに点字ブロックのクッキーもあるんですよ。
さて、前回の続きです。
前回は点字ブロックの黄色が大事だということ、にも関わらず景観を損ねるとか、便宜上で目立たない色で安易に敷設していて、視覚障害者が安心安全に歩行し辛くなっていることをお伝えしました。
視覚障害者が点字ブロックを頼りに歩行していると確実に安心安全かというと、そんな保証はないのです。
色々事件は起きますね。
私は衝突してしまったことはありませんが、危険を感じた経験はあります。
都会に住む知人は時々視覚障害者同士で衝突することがあるそうです。
その他の経験では、点字ブロックの真上を歩いてきた中年の男性と衝突したことがあったそうで、新聞を目の前にして読みながら歩いていたとのこと。
男性は「点字ブロックの上を歩いていればまっすぐ歩けて便利だなと思った」とのこと。
地下鉄の通路での時は、横の階段から走ってきた若そうな男性が勢いよく直前を横切り白状を突き飛ばして走り去ったので白状がポキリと折れてしまったそうです。
そのまま改札の中へ消えてしまったので文句の一つも言えなかったそうです。
私の夫も出勤途中で目の前を自転車が勢いよく横切り、車輪に白杖が挟まって折れたことがありました。
自転車の主は逃げ去ったので泣き寝入りです。
白杖は一万円前後する安くはないものです。夫はそれ以来、かばんに予備の白杖を入れているようです。
当時予備を持っていなかったので帰宅はどうしようと思っていたら、事件が起きた目の前のコンビニの店長さんが目撃していて、ガムテープを持って飛び出てくれて簡易修繕してくださったのでした。
なので、タクシーで帰宅というようなことにならず助かったのでした。
点字ブロック上であろうとなかろうと、視覚障害者同士の衝突を回避するには、こちらの存在を相手にわかるよう呼び掛けるのが得策です。
お互い見えないのだから、どちらかが声を出していれば通り過ぎたこともわかる筈。
まぁこのように点字ブロック上を、白杖をつきながら歩いていても危険にさらされることもあるのです。
点字ブロックの老朽化が原因以外の危険は、人の不注意や無知によるものだと感じています。
点字ブロック上をスマホ歩きしている人や、物を置こうとする人、車を止めようとする人に気付いたら優しく「視覚障害者が安心安全に歩くための点字ブロックですよ」と教えてあげてください。
ちょっと勇気がいるかもしれませんが。
3月18日は点字ブロックの日です。
ここで1つお詫びと訂正です。
前回、「1961年、岡山市原尾島に在る岡山盲学校の近辺に初めて設置されました。」と書きましたが、1967年の誤りです。申し訳ありませんでした。
みなさんの自宅や職場の地域や旅行先などでも点字ブロックを少しばかり気にしてみてください。
そのような願望で閉めようと思いましたが、最後にもう1つ。
「点字ブロック」と書いてきましたが、これは俗称で正しい名称は視覚障害者誘導用ブロックです。
これで点字ブロックに関するお話はおしまいです。
◆プロフィール
水島 恵
水島 恵(59歳)
岡山市在住
視覚障害(先天性緑内障)
岡山県UD推進アンバサダー
指圧・あん摩・マッサージ師
着付け1級(認定)
趣味は編み物、料理(特にスイーツ)、カラオケ、旅行、和装、講演・講座巡り