失敗しつつもお互いが楽な介護を探して来たかもしれない~『未経験からトライした介護の実態』~
酒井いづみ
こんにちは。
ホームケア土屋仙台のコーディネーターをさせていただいている酒井と申します。
私は23歳の時に未経験から重度訪問の職に就きました。
施設などの経験もなく、障害を持った方とコミュニケーションを取ることもあまりなく、前職のケータイショップでお客様として来店された、障害をお持ちの方とお話をする程度でした。
重度訪問介護を始めた頃と今、思うことは違いますが、始めたての頃は正直「楽勝じゃん」でした。
前職ではお客様が商品を買ってくれるために、どんな言葉を使ってお勧めするのか、何を言えば気を引けるか、何から言えば距離感の壁を薄くできるかで頭がいっぱいで、席を離れるたびに先輩スタッフとお客様とどんな会話をして、どんなことに興味があり、どの商品をお勧めするかの話し合いが行われるので、私の頭の中は常にプレッシャーと緊張があり、張り詰める日々でした。
そこから心機一転、やったことのない重度訪問介護をやってみたら「決められたこと、言われたことをやればいいだけ」「頭で考えることはほぼない」と思い、私には簡単な仕事に思えましたし、夜更かしが大好きだった私には天職だとも思えました。
今思えば表面しか見えていない考えだなと思いますが、だからこそ失敗したことも怒られたこともたくさんあります。
「訪問」介護なので、入りと退室の時間、その間にやっておかなければいけないケアがあります。何も考えていない私は言われたことを何も考えず行い、決められたケアも何も考えず行い、ほぼ毎回退室時間オーバーしてクライアントから注意されることがありました。
ALSのクライアントから「洗面するとき強めにゴシゴシしてほしい」とお願いされ何も考えずゴシゴシした結果、カニューレ(呼吸器と身体を繋ぐ器具)にタオルを引っかけてしまい危うく事故になるミスを犯し、またさらにクライアントから怒られることもありました。
色々な失敗を経て、「決められたこと、言われたことをやるだけ」ではなく決められたこと、言われたことをやるにあたって色々な配慮や注意が必要なこと、時間通りに終わらせるための行い方を考えながら実行していかなければならないことが必要だと感じています。
色々な経験をした今、「楽勝じゃん」とは思いませんが、クライアントが安心安全にご自宅で過ごせるため日々知識を増やすこと、さらには知識が増えたことで少しでも成長していると感じた時の喜びがあり、悪戦苦闘することもありますが、前職の時よりも圧倒的に「前を向いて生きている」「ポジティブに考えられている」ということを感じられているので、私は今とても充実感があります。
◆プロフィール
酒井いづみ ホームケア土屋 仙台
ホームケア土屋仙台のコーディネーターをしている酒井と申します。
コーディネーターとして仕事を全うできるよう、趣味を楽しみながら頑張っています!