経験を通して、日々心掛けていること~「関係性」はリアルタイムに好転させられます!~
知念司
私がクライアントとの関係づくりで、心掛けていることは以下の3つです。
1、『表情・自己紹介』
2、『安心感を与える』
3、『信頼関係を築く』
です。
1、「表情」は、常に笑顔を心がけることや状況に応じた表情をし、印象を良くする事。
自己紹介では、相手に印象良く思ってもらえそうな事柄を話し、相手に親近感を与えるような会話を積み重ねる事が大切だと思います。
しかし、ホームケア土屋に入社して初めて支援に入った現場のクライアントA様は、うまく言いたい事が伝えられず、望んだ結果が得られなかったりすると感情が昂る事が多い方でした。
私は常に笑顔を絶やさず、相手に印象良く思ってもらえそうな事柄を話してみましたが、全くうまくいきませんでした。
同行支援を終え、独り立ちして支援に入った頃の事でした。
A様と趣味の話をしていた折、ふとお尋ねになりました。
「テレビでゴルフの試合がやってるか?」
そう訊かれ、わからなかったのでわからない事を伝え、ネットで検索して調べた内容を伝えると驚いた表情をされ、「おう、ありがとう」と仰いました。
その時、「受け入れてもらえた!役に立てたんだ!」と感じ、嬉しかったことを今でも覚えています。
些細なやり取りですが、そんなやり取りを繰り返しているうちに表情が和らぎ、感情をぶつけられることも減りました。
徐々に信頼関係も築けていけたと感じました。
常に笑顔を心がけて相手に印象良く思ってもらえそうな事柄をただ話して自己紹介を行ってもうまくいかないこともありました。
状況に応じた表情をし、クライアントの要望に応えて信頼関係を築いた上で自己紹介を行い、相手に親近感を得てもらえるような会話を積み重ねていく事も大切だと学びました。
2、『報告・連絡・相談』を行うことは、「安心感」を与えることに繋がると思います。
報告・連絡・相談の内容としては、支援内容の現状報告やクライアントやその家族が不満に思っている事への謝罪・理由を説明・今後の対策などを相談していく事などがあります。
以前、下記のようなことがありました。
アテンダントの退職者が続いていて、クライアントB様の現場へ私が同行支援で入る予定でしたが中々進まずに時間がかかっていました。
やっと同行支援を行う際、クライアントやご家族と顔合わせをすると、ご家族の苛立ちが表情や言動に表れていて気まずい雰囲気でした。
『この状況ではいけない』と感じ、何とか関係修復を出来ないかと、積極的に話しかけて支援内容を『報告・連絡・相談』で細かく説明する事を試みました。
こちらから一方的に話しかけ続けると相手によっては嫌がられる場合もありますので、表情を見て様子を伺いながら行いました。
支援終了後に、支援中の様子を事細かに報告しました。
待機中に支援内容や手技、観察項目を頭にたたき込んで、支援中の経過を事細かく伝えました。他にも工夫した点や難しかったこと、気になった点等です。
クライアントB様は意思疎通が図ることができず、寝たきりで医療的ケアが必要な方です。私達が支援に入る時間帯は夜中から朝にかけてのご家族が休まれている時間帯です。
ご家族であれば『しっかりみてくれてるのかな?』と思われている方もいらっしゃると思います。だからこそ、事細かく経過等を報告することは大切です。
3、「信頼関係」を築くには傾聴・相槌・間(すぐに結論を出さない)事が重要だと考えています。
クライアントB様のご家族へ事細かに支援状況を報告していると、ご家族よりクライアントのエピソード等を色々とお話しくださるようになりました。
表情も以前よりもにこやかに見えました。
この時に大事なことは、『傾聴や共感』をすることだと思います。せっかく心を開いてお話しをされているので、相手のお話しを遮らず、共感して相槌をうち聞き役に徹すること。
そして似たような経験談等があれば伝えるようにしています。そうすることで、相手の気持ちに共感し、理解している事が伝わりやすく、信頼関係を築きやすいと考えているためです。
今後もクライアントとより良い関係を築けるように『表情・自己紹介』『安心感を与える』『信頼関係を築く』を意識しながら支援に入っていきたいと思います。
◆プロフィール
知念司 ホームケア土屋 沖縄
前職 病棟勤務の正看護師。
2018年 三学会合同呼吸療法認定士 取得。
2022年1月 株式会社土屋 入社。
3号研修 講師。実地研修 指導看護師。
妻と2人の子供と4人暮らし。
趣味は食べ放題巡り。