重度訪問介護に、「年齢制限」がなかったらいいのに
相川めぐみ
重度訪問介護の仕事を始めて5年ほどになりますが、求められている声全てに対応する事が難しい現状を日々実感しています。
特に18歳未満の医療的ケア児について、在宅での家族の負担は非常に大きいと思います。
18歳以上では、24時間体制での介護が利用できる重度訪問介護が使えますが、医療的ケア児は居宅介護しか利用できません。
居宅介護も様々な使い方があり、素晴らしいサービスだと思いますが、「重度訪問介護が年齢制限関係なく使えたらいいのに」という声を聞く度に、在宅で介護を必要とする方に年齢制限を設ける事は、はたして必要なのかなと疑問に思う事が増えました。
医療的ケア児の子どもさんと、在宅で生活されている保護者の方の話を実際に聞いた時に、特に「夜、眠れない事が辛い」と言われていました。
昼間の訪問看護等を利用する短時間の、その間に寝ないと、夜はほとんど眠れないそうです。
夫妻共働きで、外では仕事、家に帰ったら家事や育児や介護。「身体を休める時間がないと、心が疲れてくる」とも言われていました。
ほんの少しの時間でも息抜きができる時間があるだけで全然違うそうです。
18歳未満であっても重度訪問介護を利用できれば、在宅生活で困っている方に何か手助けできるきっかけになり、長時間の介護が利用できる重度訪問介護だからこそ、本当に必要としている方にピンポイントでの支援ができる可能性があると思います。
「医療的ケア児」といっても、一人一人の状態や求められるケアの内容は違うと思うので、長時間かけて自宅での暮らしを知る事で、より丁寧に向き合え、信頼関係が生まれると思います。
人並みですが、医療的ケア児とその家族が在宅で安心して暮らせるように、多方面から支えあい、笑顔に繋がっていく社会になる事を夢見ています。
また、在宅で医療的ケア児を支えている保護者や支援者の心に余裕ができる手助けを少しでもしていきたいです。
実際の現状は、インターネットや本で伝わる様子よりももっと、家族たちは休息を取れていません。「倒れてしまうまで必死になってケアをされている方も多くいる」と聞きました。
誰かに頼る事もできず抱えこんでしまう方や、頼りたいのに頼れるところがなく、どうしようもない方。
こんな状況が当たり前にあるのです。
使えるサービスや支援者が増える事が医療的ケア児の安心と安全に直結していると思います。
医療的ケア児が健やかに成長していく過程を一緒に楽しみたいです。