それぞれのストーリー~誰かのストーリーに、あなたは「どう」登場する?~
小山田康浩
私が専門学生の頃、現場実習に行っているとき実習先で担当をしてくださっていたスタッフの方からある話を聞き感銘を受け、今の私がいます。
3回目の実習先は、初めての障害者の入所施設。
行ってみると授業では聞いたことのない病名の方や、18歳~70歳と幅広い年齢層の方が生活をされていました。入居者の方々は気さくに話しかけてくださり、楽しい実習になりました。
しかし、楽しいことばかりではありませんでした。
1か月の実習の間に、2名の方がご逝去されました。
数日前までいつも通り話をして『また明日ね』と言って別れ、深夜に救急搬送されたとのことでした。翌日、私の担当をしている方から、救急搬送され逝去したことを聞きました。そこで担当の方が仰ったことは、
『私たちも明日は我が身。後悔のないように生きていかないといけない。
介護の仕事をしていくうえで、私たちは入居者のストーリーの中での一登場人物になる。
ストーリーの中で「○○さんの介護のやりかたは嫌。こんな施設で生活したくない」と思われたくないやん。障害者でも高齢者でも一人ひとり生まれた瞬間からストーリーがある。いい話ばかりではないと思う。
介護職は、病院と一緒で入居者の最期に立ち会うことができる仕事。「最期を看てくれるのがあなたで良かった」と思われる方がよくない?
だから、私は1日1日を大事に向き合って仕事をしている。私なりに心から寄り添う気持ちは絶対に忘れず、この仕事を10年している。結論、生活を介護しているとけんかもする。
でも…最期の瞬間に「あなたがいて良かった」と思ってもらえることが、介護の仕事なんじゃないかな…』
と語ってくれました。
学生の頃の話ですが、これが、「私の介護の原点」になっています。
施設で生活していようが、在宅だろうが、介護という仕事に関しては変わりはないと思います。
重度訪問介護を通して“土屋で良かった”と思ってもらえるよう、これから先も「原点」を忘れずに、努めていきたいと思います。
プロフィール
小山田 康浩 ホームケア土屋 福岡
小山田 康浩(おやまだ やすひろ)
介護を始めた時期:平成21年~現在
特技:バスケ歴27年
資格:介護福祉士