「そういうものだから仕方ない」と思ったらそこで試合終了ですよ~介護は転職先に選べるか~
佐原功
2021年4月に入社し、早2年が経とうとしています。私にとっては3回目の転職で、4社目になります。
それまでは幸いなことに好きな業界、好きな職種に携わってきました。
転職活動もそれまでの経験と人脈が功を奏し、それほど苦労しませんでした。
そして50歳をかなり過ぎ、最後の転職先に選んだのが、介護業界でした。
個人的な動機はさておき、入社後しばらくして業界の問題が見えてきました。
おそらく、皆さんが感じていることと同じだと思います。
そんな問題や矛盾を感じながらも、支援は待ったなしです。
研修はあるものの、最終的には個人のスキルや人間性に委ねられ、周囲のサポートも限界があります。
最初の壁は我慢できるかできないか。
その一点に集約されます。我慢でき、適性があればできるし、なければできない。
その意味ではどの仕事も同じですが、好きな業種であれば、職種問わず頑張れます。キャリアチェンジによってスキルも上がり、仕事によっては異業種交流もありビジネスパーソンとして成長していけます。
翻って介護業界は閉鎖的なので、ビジネスパーソン云々については語れないかもしれません。
『介護職は転職先に選べるか?』ぜひ選んでもらわないといけないわけですが、今のままだと諸手を挙げて大歓迎というわけにいかないと思います。
介護の仕事は、間口は広いですが敷居は高い仕事だと感じています。自由競争ではないので、待遇も青天井というわけにはいかず、法令はもちろん、制度に関することはすべて政治です。
最近、とあるクライアントが、お会いするたびに政治を憂いています。
結局、「と言っても、投票率は低いし自分たちのせいですよね…」で話は終わりますが……
次代を担う皆さんには、ぜひ転職で選んでもらえる業界にしてほしいと思います。その一方、考えること、やるべきことは山積みだと思います。
山積みですが、これほど人の役に立っている実感を得られる仕事はありませんし、介護に携わっていることに誇りをもっています。
それに、この業界は、「ほかの業界にない将来性」という大きな強みがあります。官民一体となった運動(ロビー活動)が必要なレベルかもしれませんが、ちまちまと考えず、若い皆さんには大志をもってガンガン業界を変えてほしい。
「人任せかい!」と言われそうですが、私はそろそろ還暦。老いては子に従えです(笑)。