相手と役割に合わせたコミュニケーション
成田和之
「趣味はお持ちですか?」
様々なシチュエーションでよく耳にするフレーズです。
あまり多趣味ではない私は、決まって次のどちらかで答えます。
『釣り』か『フィッシング』と。
広辞苑によると、どちらも鉤にかけて魚を取る事ではあるものの、フィッシングは特に趣味として行う魚釣りを意味している。
昨今の若物をメインとした、ルアーと呼ばれる疑似餌を使って釣るゲーム性の高いキャッチ&リリースを前提としたバスフィッシング等が“フィッシング”。
一方では、ご年配の方が防波堤にどっかりと腰を据え、釣り糸を垂らす昭和スタイルのイメージが強いのが“釣り”ではなかろうか。
私はルアーも使うし、防波堤にも腰掛けるのでどちらにも分類されますが、横文字か否かだけではなく、ニュアンスの違いを伝える相手によって無意識に使い分けているようです。
初めて釣りをする方とベテランの方に釣り方を説明する際には、当然ながら言葉も表現も異なるのと同様に、相手に合わせて伝え方を変えています。
同じく、介護の現場においてもそれらが存在しています。
クライアントはもちろん、ご家族の方や、関連する事業所、医療機関、アテンダント等々。十通りの人のつながりがあれば、もちろん十通りの人間関係があります。
その際に、人に物事を伝える事の難しさを感じています。
無論、様々な経験や知識を持った方と携わります。専門用語や横文字や略語の是非はもちろんのこと、言葉のニュアンスや感じ方も人それぞれ異なります。
会話の中から相手を知り、感じ取ることにより共通言語を見い出す。それを共有し、積み重ねていく事により、より良い人間関係を構築していく事につながっていく…
言うまでもなく他のさまざまな要因も存在しますが、より良い人間関係を構築する上で必要不可欠な要因のひとつです。
支援の際によく使われる言葉である『相手の立場に立つ』、『クライアントに寄り添った支援』なども前述の内容とリンクするものではないかと考えています。
今後も、様々な方とかかわらせていただき、そこから学び、より良いコミニュケーションにつなげていきたいと思っています。
プロフィール
成田和之 ホームケア土屋 札幌
2021年 介護業界未経験から入社。
2022年 実務者研修取得、コーディネーターとなる。