積み重ねが未来に繋がる
白鳥美香子(ホームケア土屋 東北)
暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
私に関しては、こどもたちが夏休みに突入し、ゆったりとした朝から1日が始まります。
私が仕事として介護に初めて携わった時も、季節は夏でした。
「重度訪問介護」「医療的ケア」「見守り」という見出しの求人に応募しました。暑い日にスーツを着て、身なりを整えて、緊張して面接に行ったことを覚えています。
介護とは別の業界で働いていた私は、無資格未経験だったため、重度訪問介護従業者養成研修統合課程を受講し資格をとりました。
「 障がい福祉サービスである重度訪問介護 」
常に介護が必要な、「重度」の障がいのある人が自宅で暮らすために、自宅に直接訪問し、生活全般の介護や見守りをする。
住み慣れた環境で、一人一人の必要に応じた寄り添った支援をします。尊厳を守りながら丁寧なケアが出来るのは、訪問介護の魅力でもあります。
最初は緊張し、思うように出来なかったことも、慣れてくるとスムーズに進められ、本人やご家族とは深い関係を築くことが出来ます。
これには、コミュニケーションが大事になります。
様々な価値観に触れることで自分の世界を広げることができ、信頼関係が築ければ、大きなやりがいと使命感が生まれてきます。
私が、当時担当していた難病の女性クライアントの支援には、週4日行くこともありました。
お互いにインコ好きで、共通の話題もあったことでとても意気投合して、すごく可愛がってもらいました。
訪問するたびに
「 待ってたよ~ 」
と言ってくれ、相談すれば
「 頑張れ!白鳥なら大丈夫! 」
と味方になってくれました。
現場を離れてからも顔を出しに行くこともありました。
先日、ご自宅でご逝去されました。
息を引き取り人工呼吸器を外す場面に立ち合いましたが、とても悲しく涙が止まりませんでした。
最期の着替えも手伝わせていただき、そのクライアントの人生に関われたことに感謝すると共に、この仕事が続けられているのも、そういった体験の積み重ねで、今の自分がいるのだと実感しました。
もちろん体力的、精神的につらいことも多いですが、嬉しい言葉をかけてもらったり、信頼してもうことを繰り返しながら自分が成長していることに気が付きました。
仕事を通して自然と相手を理解し、そのために動き優しく接することができるようになったのではないかと思います。
そして健康な状態がどれだけ幸せなことなのかと感じ、日々を大切に感謝しながら毎日過ごしています。
プロフィール
白鳥美香子 ホームケア土屋 東北
介護福祉士
障害児の母(介護歴17年)
ホテル業界、病院事務、リラクゼーション店開業を経て、無資格未経験で介護の世界へ