私にとっての介護、重度訪問介護とは…~その人らしさ、手放さない方法があります~
宮里清瑚(ホームケア土屋 沖縄)
私は特別養護老人ホームにて約3年間勤務していました。
施設での業務内容として、主に三大介助と言われる「食事介助、排泄介助、入浴介助」が中心。
ご本人やご家族の希望に添い、その希望にできるだけ応えてきましたが、なかなか実現できないのが、ほとんどのケースでした。
施設の決められた時間に、起床、食事、就寝。毎日同じ1日の繰り返し。
流れ作業の様な感じでした。
「自分らしさとは何か?」と考えたことがあります。
住み慣れた地域での暮らし、社会性、その人らしい生活のニーズと考えております。
利用者や家族の訴えに対し、自分の力では、どうすることもできずにいました。
そんな中ふと、訪問介護なら、その人らしい暮らしができているのではないか?と感じ、ロングの支援が可能である重度訪問介護の世界に飛び込みました。
そこで感じたものは、施設とはかけ離れた支援内容でした。
本人のペースで支援を行い、本人の希望や要望に沿っての介助。
クライアントに一つ一つ確認しながら行い、長時間1対1での手厚い支援を提供できる。
自分のペースで好きな時間に好きなことをする、という利用者に「自分らしさとはこれだ」と痛感しました。
また重度訪問介護では、24時間365日の支援が可能で、介護職員が医療的ケアを提供する。
施設では経験できなかったことを経験させて頂いています。
今思えば、施設で勤務していた当時、利用者に「本当は自宅に帰りたい。だけど家族に迷惑はかけられない」と相談されたことがあります。
私も、恥ずかしながら重度訪問介護という制度を知らず、どうすることもできずに話を傾聴することしかできませんでした。
日本は超高齢化社会に突入し、介護とは一般的に「高齢者介護」と考える方が、ほとんどだと思います。
ですが、身体に障害をもった方にも介護を必要としている方は大勢いらっしゃいます。
介護では、身体障害者の方々にも焦点を当て、重度訪問介護という、1対1での長時間の支援ができる、素晴らしい制度があるということをメディアが取り上げるべきだと思います。
重度訪問介護サービスという制度があるにも関わらず、知らずに利用していない方が大勢いらっしゃいます。
もちろん、事業所がなく利用できずにいる方もいるかと思います。
だからこそ、私たちが「重度訪問介護」を世間へ広めることが使命だと思っています。
重度の障害を持った方でも、病院や施設だけでなく、自宅で生活をするという選択肢があることを知って頂けるよう、今後の活動に精力を注いでいきたいと思います。
プロフィール
宮里清瑚 ホームケア土屋 沖縄
介護を始めた時期:2018年4月
趣味:スポーツ観戦