あなたと私で今を一緒に生きるための、重度訪問介護~介護と私~ / 小川力信

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あなたと私で今を一緒に生きるための、重度訪問介護~介護と私~
小川力信(ホームケア土屋 関東)

私にとっての介護とは、仕事の選択肢の1つでしかありませんでした。

高校を卒業して早々に「介護業界」に進路を決めてはいたものの、崇高な想いや幼少期に特別なエピソードがあったわけではありません。

ただ、「おばあちゃんが好き」。

もっと言えば「いつもお小遣いをくれるおばあちゃんが好き」という理由だけで介護業界の門をくぐりました。

こんな不純な理由で始めたわりに、20年以上もよく続けているなと我ながら感心します。

入社から3年ほどは、同僚と遊んだりサボったりしていた記憶しかなく、前職の上司には多大なご迷惑をお掛けしていたと思います。ほんとに申し訳ないです。

そんな私でも、分岐点というのか、自分の介護に対する認識がガラッと変わるきっかけがありました。

ちょうど、入社3年目の頃の出来事です。

その日はレクリエーションでカラオケをしていたのですが、ある女性の利用者さんが私に「ねえ、小川さん。デュエットしない?」と誘ってこられました。

その時間の私はレクリエーション担当ではなく、別の仕事をしていたので、「また今度ね~」と軽く受け流してその日は終わりました。

次の日、その女性の利用者さんはお亡くなりになってしまいました。原因不明の突然死でした。

この時、私は昨日デュエットを断った事を死ぬほど後悔しました。

そのくらい一緒にやってあげればよかったじゃないかと自分を責めました。

またそれと同時に、ここにいらっしゃる方達は一見元気そうに見えても、いつ何が起こるかわからない、広義の意味でのターミナル期にいる方達なんだと強く思い、それからは利用者さんからの要望はその日の内に出来る限り応えるという姿勢に変わりました。

私の中で、ただの仕事だった介護が、「対象者と向き合い、一緒に考え、それに応える」という姿勢が介護である、という認識に変わっていったのです。

私が土屋に入社して一番最初に実感した事は、私の介護に対する認識やその姿勢は、たとえそれが訪問介護になっても、対象者が障害者になっても変わらないんだという事でした。

また、土屋で初めて経験した重度訪問介護に従事してわかった事は、高齢者施設でのサービスに比べて、在宅での重度訪問介護は私にとっての介護の認識と姿勢に非常に親和性が高いという事です。

もちろん医療的ケアも含み、難易度が高い専門サービスではあるのですが、1人のクライアントに対して、とことんまで本人と向き合い、考え、応えることができる介護サービスは重度訪問介護をおいて他にはないのではないかと感じています。

プロフィール
小川力信 ホームケア土屋 関東

埼玉県川口市在住。
基本的に寂しがりや。そのわりに一人の時間も好きという面倒な人間です。
妻と子供3人と犬2匹とワイワイ騒がしく暮らしつつ、一人でゲームしたり本を読んだりして毎日楽しく過ごしています。
趣味はキャンプで、焚火をしながらウイスキーを飲むのがたまらなく大好きな43歳です。

介護経験は高齢者支援で20年、最終的には介護老人保健施設の副施設長をしておりましたが、施設の高齢者支援の対局の位置にあるといえる在宅の障害者支援を実践したく土屋に入社。障害支援はホヤホヤの新人1年目です。

保有資格は介護福祉士とケアマネージャーの資格を持っております。
前職では高齢者支援の中でも認知症支援に注力していたこともあり、東京都の認知症介護指導者として地域の認知症啓発や認知症高齢者への支援に没頭していました。
現在は関東ブロックの東京エリアでマネージャーとして従事しています。

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