旅企画「MATAたび」第1弾実施⑤ 夢の共演者・同じ当事者として
櫻井純
2021年12月12日(日)、ホームケア土屋鳥取にご協力頂き、土屋・SDGsチームの旅企画「MATAたび」第1弾を実施しました。
今回、旅を終えて、初めて現地でホームケア土屋鳥取と協力しながら旅を通じて夢を叶えるお手伝いをさせて頂いたことは貴重な経験になりました。
コロナ禍で修学旅行が中止になった代わりに憧れの車に乗りたい!という夢を叶えるお手伝いをさせて頂きましたが、クライアント・ご家族・土屋のスタッフみんなが夢実現の旅の共演者として助け合い、最高に素敵な1日でした。
今回は個人的に何度も入院も挟みながらMTGを繰り返して初めて実現した旅企画の第1弾。
同じく進行性の難病の当事者として、いつか体の自由が奪われる恐怖や辛さを誰よりも実感しているからこそ、なんとか夢を叶えてあげたい強い想いが旅の課題を越えて夢の実現に味方してくれました。
当日初めてお会いするスタッフ・池田さんと吉田さん、お母様もすごく親身にお話しを聞いて下さり、体調を気遣って下さって車椅子や荷物移動を助けてもらいました。
以下、旅の感想をクライアント・お母様より頂いています。
クライアントのお母様より
「本来ならば試乗できないだけでなく、観ることも出来ない体験を皆様の暖かい心によって、思う存分に観させていただいた上に試乗までさせていただいたこと、そして、個人ではなかなか難しくなっている旅行を支援してくださった皆様に本当に感謝しています。バリアフリー環境、旅行先の調査等、一番大変な準備をしてくださりとても感謝しています。」
クライアントより
「本当にありがとうございました。『愛は親切です』という言葉があります。皆様の愛ある心暖まるご親切に、とても助けていただいき、貴重な体験をすることができました。心から感謝しています。本当にありがとうございました。」
私自身難病や障害と向き合う生活は、関わる家族も周りの方の人生も狂わせてしまった申し訳なさでいっぱいです。
それでも、仲間と一緒に誰かの命を繋いで夢を叶えることができたら。
年々生活の中で1番長く過ごす場所は治療リハビリを行う病院に変わり、一緒に過ごす人も話題の中心も医療や障害になってきましたが、何かに夢中になって頑張ることができたら、私の命も闘病した年月も無駄じゃなかったと、いつか思える日が来る気がしています。
今回旅企画「MATAたび」第1弾にご協力頂いた皆様、本当に素敵なご縁をありがとうございます。
プロフィール
櫻井 純(さくらい じゅん)
1987年 兵庫県加西市生まれ
12歳で急性散在性脳脊椎炎を発症。26歳で10万人に1人程度の割合で発病する慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症。29歳でシャルコー・マリー・トゥース病の診断を受ける。
常に治療リハビリが必要で一般就労が難しい状態から社会参加への強い想いを持ち、2016年難病障害当事者が運営する旅行会社櫻スタートラベルを起業。当事者目線で障害や疾患に配慮する旅行や働き方の取り組みが、産経新聞 ・The Japan Times・朝日新聞で紹介される。ジャパン・ツーリズムアワードビジネス部門(ユニバーサルツーリズム)連続入賞。
重複障害による筋力低下・感覚低下・激しい痛みがあり、現在も年間約120日程度入院やリハビリを継続。難病や障害の相互理解を促す活動として講演活動・失語症者向け意思疎通支援を行う。目に見えない障害や複数の難病と向き合う当事者の立場から、誰もが希望を持てる優しい社会づくりを目指す。