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『ひとまずAI(人工知能)の話をしよう』 / わたしの

『ひとまずAI(人工知能)の話をしよう』
わたしの

土橋:福祉の仕事に携わる方をお招きしてこれまではお話を聞いてきましたが、今日は少し角度を変えてフリーのデザイナー/コピーライターで、最近はお仕事でもChatGPTを積極的に使っている守本さんにお話を伺っていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

守本:よろしくお願いします。

土橋:どうして守本さんとお話をしたいかと言うと、常々福祉を外側から眺める視点が必要だと思っているのがひとつと、あとは普段お使いになられているAI・ChatGPTについてお話が聞けたらなと思っています。

この前、守本さんとの立ち話の中で、自分のまわりのデザイナーやコピーライターたちが ChatGPT に仕事を奪われていると仰っていて、私はそこで初めてニュースではなくて、リアルに人の口からそういう現実が本当にあるのを聞いたんですね 。やっぱりそういうことって起こってるんだな、と。 デザインやコピーをAI が書けるんだということを知ったんですね。

そこからChatGPTに興味を持ちまして、それを福祉という回路につないだらどうなるんだろう?ってことも素人ながらに想像してしまいました。私はテクノロジーに詳しくないので、考えるきっかけに少しでもなればいいなと思っています。

『ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのOpenAI社が開発した人工知能(AI)を使ったチャットサービス。人間の質問に対してまるで人間のように自然に答える技術を搭載。インターネット上にある膨大な情報を学習し、複雑な語彙・表現も理解できるのが特徴』

スマホのアプリにも純正の、つまりOpenAIが作ったChatGPTではないけれどもそれに近しいものがいくつかありますが、あれはどういう位置づけなんでしょう?

守本: ChatGPT が車でいうところのエンジンを貸すみたいな感じですかね。そのエンジンを搭載している奴と、それすら搭載していなくて決められた言葉をランダムに出しているだけの偽物アプリがあるんですけど、ただ基本的にChatGPTを作っているOpenAIという会社は、オープンというだけに彼らは独占しようという意欲よりは全世界にこのテクノロジーをわけてより進化させていこうというスタンスなので、ちょっとお金を払うと自分のアプリにChatGPTのエンジンを載せられるんですよ。そのケースが多いかなと思います。

土橋:私もお話を聞いてから試してみたんですね。そしたらもうびっくりしてしまって…父親が子どもの時カツカレーを初めて食べたとき衝撃を受けたと言ってましたけれど(笑)、私は生まれてから受けた衝撃ではインターネット登場やスマホ登場とは比べ物にならないくらい一番大きかったと言えますし、その余韻がずっと続いています。

AIを使ったときにすごい親近感が湧いたんです。AIを擬人化している部分もあるのかもしれないけれど。大袈裟に言うと、友だちがここにいるという感じがあったんです。

それはなんでかというとね、僕は例えば音楽のワークショップのようなことをやりたいと考えたときに、そのタイトルを3つ考えてほしいってAIに投げかけたんです。するとそれに答えてくれるわけです。ブレーンストーミングのようなクリエイションの入口のようなことをAIが一緒にやってくれたので、それが率直に嬉しかったんですね。

守本:はい、なるほど。

土橋:この作業を例えば人とやる場合に、やっぱりアイデアを出すことを遠慮されたり、単純に思いつかないっていう場合もあるとは思うけれど、空気を読んだり、このアイデアは出すのはやめて無難なことを言っておこうって配慮されたり(したり)するじゃないですか。だから率直にボールを投げ返してきてくれたことの嬉しさがありました。

守本さんはデザインという仕事のうえでAIをどのように使っているんですか?

守本:僕は実は先ほど土橋さんのお話にあったような「作業をさせる」使い方に近いですね。あまりいい使い方ではないのは「調べもの」なんです。「〇〇とはなんですか?」とか「〇〇について教えて?」という使い方は割と間違った答えが返ってきます。なのでどちらかというとAIは作業をさせると人間と相性がいいんです。

AIについてはアメリカと日本では違いがあって、アメリカの方がAIを機械ときっぱり割り切って指示だけをドライに出すんだけど、日本人はむしろ人間よりも上位に位置する神様的なものを感じる傾向にあって、作業をさせるというよりは「教えを乞う」みたいな方に走りがちなんだそうです。

土橋:おもしろいですね。それはどうして違いが生まれるんでしょう?

守本:僕が読んだ記事で、その違いの原因ではないかといわれていたのは「アニメ」だそうです。日本には「ドラえもん」や「アトム」がいるわけですよ。自分もあまりそのあたりの事情に詳しくないですけど、アメリカ映画では「アトム」のように機械に感情を感じるというよりは機械は機械として扱っているような印象を受けます。

僕の場合はAIは作業に特化させて使っています。提案させるというのと、あとはまず土台を自分で作ってもよくて、文章を書いたものを「推敲してください」とか「これを1000文字にしてください」とか、それができるんですよね。人間がやると相当たいへんで、細かい作業じゃないですか。それを瞬時にやってくれるんで、人間のクリエイティビティが奪われるみたいな話もあるかもしれないけど、むしろそっちの手間になる作業をしてもらっている間にさらなるアイデアを考える時間を確保できるということも可能だし、最後の帳尻合わせだけしてもらうということも可能だし、逆に最初のアイデアを出してもらって整えをこっちがしていくという使い方もありなんですね。アイデアを出してもらって、それをもとにみんなで集まって会議を開き議論していくやり方など可能性はたくさんあると思うんです。

土橋:使い方も無限の可能性を秘めてますよね。

守本:そうなんです。

土橋:今回はプロローグとしてざっくりお話してきました。次回、さらにAIについて伺っていきます。

―つづく―

プロフィール
わたしの

1979年、山梨県生まれ。

バンド「わたしの」

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