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『仕事を通して成長する』〜それぞれちがう働く喜び3〜 / わたしの

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約5分

『仕事を通して成長する』〜それぞれちがう働く喜び3〜
わたしの

土橋:シビアな面も教えてください。

剛:それは、やはり外部の業者からの受注作業を請け負っているので、しっかりしなければならないのはクレームを出してはいけない。ミスを出してはいけないということを利用者にも理解してもらわないといけないんです。例えば、指先から血が出ていたらそのまま作業していいですよ、にはならない。血が出ていたらちゃんと報告してくださいねって伝えなければいけない。ルールはしっかりご利用者にも守っていただかないといけないところがあるんです。めりはりですね。

土橋:そういうときは厳しく言うの?

剛:厳しくっていうか淡々とですね。困りますよ~っておちゃらけて言うのではなく、血が付着することでクレームになってしまうと次のお仕事がなくなってしまうというちゃんと根拠も伝えたうえで、みんなで協力していこうねって伝えたり、血が出ていたら報告してくださいねって言います。あと、こんな例もあります。職員の気を引きたくてわざとミスする場合もあるんです。

土橋:あるでしょうね。そういう場合はどうするんですか?

剛:そういうときはあまり突っ込まないというか、淡々とですね。

土橋:それで職員が大騒ぎすると注意獲得が成功ってことにもなりますもんね。

剛:なんか困ってることある?ちょっと休憩する?ってその時々の状況に合わせて声をかけます。

土橋:ちゃんと注意獲得をしたい思いも受け止めつつなんですね。割と言葉でやりとりしていくんですか?

剛:言葉でのやりとりが多いですね。

土橋:言葉で表現できるとはいえ、気持ちとか複雑なことを表現することが難しかったりしますか。

剛:なので時間をかけて気持ちを聞いていきますね。半日その話になることもあるんです。

土橋:そのときは面談の場を設定するんですか?

剛:場所変えて話をした方がいい場合もあるし、フロアの中でやる場合もあります。認める部分もあるけど、いいことと、してはいけない部分もあるんですね。そこはちゃんと社会人としての態度を求めるということですね。指を鼻に突っ込んでいたら、それはよくないよね、手を洗ってきてって伝えます。

土橋:それは割と素直に受け入れられていくんですか?

剛:なかなか入らないけど、その都度伝えています。

土橋:先ほど言っていたクレームが入ると大打撃ですか?

剛:大打撃までは今までいっていないけれど…やっぱりクレームがくると全体的にいい気持にならないですね。

土橋:相当強く言われるんですか?

剛:言われる場合もあります。もちろん、利用者のミスというよりは、職員の検品ミスだからね、これは。

土橋:クレームがあると次はもう仕事を任せないってことにもなるってことですね。

剛:今のところはないですが、あり得ます。

土橋:そうなんですね。

剛:気を付けていてもクレームは年に何回かはあります。

土橋:取引だから、それはなくしていかなくてはならないってことだね。

剛:そうですね。

土橋:職員の仕事としては利用者の支援や仕事の提供のサポートをしているのだと思うんですが、利用者が帰ったあとはどういう動きをしているんですか?

剛:基本的にはその日に残った作業とか、次の日の準備ですね。あとはグループミーティングで利用者の様子を共有したりしています。

土橋:少しだけ就労支援のことがわかった気がしています。まだまだ奥深いものなのだと思いますが。一番最初のところですでに剛さんは本質的なことを言っていて、ただ単に仕事を与えるのではなくて、あくまでこちらは仕事を用意して、そしてその仕事を通して利用者が働く喜びを感じたり、成長していくのを支援するということなのですが、それを聞いていて思ったのは、それって利用者だけではなくて、自分も含めて「働く人」「職員」も同じだよなってことです。みんな仕事を通して幸せになりたいよなって。そしてその働く幸せというのか、喜びって人それぞれだよなってことを考えていました。私は今こうして剛さんと支援に関わるお話をしていることがとても楽しい。これもまた仕事を通して得られる喜びであると思いました。就労支援の仕事をしている人は新人職員が入ってきたとしても、きっと上手に育成するんだろうなって思いました。

剛:そうだといいですが(笑)。コミュニケーションは必然的に多くなります。一人で作業をすすめてはいけないって常に言ってるんです。2000件の作業を任せて、それが全部ミスがあったとしたら2000件を全部点検してやり直さなければならない。

土橋:それは深手を負うね。後戻りできない。

剛:でも、全部直さなきゃいけない。それが夜中までかかることもあるんです。だからコミュニケーションをとりながら、やり方を確認しながら、ミスを減らし、負担を減らしていく必要があるんです。

土橋:独走してミスを2000件出して、みんなに迷惑かけて夜中まで残るのは辛いから…。

剛:だから職員も作業を通して成長していく(笑)。

土橋:失敗しながら成長するってこともあるんですね。

―つづく―

プロフィール
わたしの

1979年、山梨県生まれ。

バンド「わたしの」

https://www.youtube.com/channel/UC-cGxWvSdwfbGCzCFnK0DPg

「わたしの」のコラム

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