HOME CARE TSUCHIYA

チームが醸し出す「安心感」が挑戦を後押しする~良いチームつくり~ / 小川力信

チームが醸し出す「安心感」が挑戦を後押しする~良いチームつくり~
小川力信(ホームケア土屋 関東)

介護業界において、その商品となるものは「人」である。

この「人」から生み出されるサービスに対価が生まれる。

だからこそ、サービスの質は高品質であればある程よいのであるが、「人」から生み出されるサービスであるが故に高水準のサービスを均一化して提供する事は難しく、介護業界全体の課題でもある。

その課題を解決する大切な要素の1つが、チーム作りであると言えるのだが、「よいチーム作り」に必要な事は、「失敗を許容できる関係性の中で、チャレンジを恐れない環境をつくること」であると私は考えている。

フレデリクソンの『拡張形成理論』というものがある。そもそも名前がカッコいい。

昔、恩師に教わった際に、これは使えると思ったものであり、実際にチームをつくる際に、私がいつも意識している事である。

拡張形成理論とは、ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソン教授が提唱している理論で、喜び、安らぎなどのポジティブ感情は、思考ー行動のレパートリーを拡張させ、身体的、認知的、社会的な個人資源を継続的に形成すると主張している。

ようするに、失敗を許容できる環境の中では、チャレンジを恐れず行動のレパートリーが増え、結果として、「個人の成長に繋がる」という事のようだ。

我々のメイン事業である重度訪問介護は、施設や箱もの系サービスと比較して、チームが作りにくい環境にあるといえる。

その理由として、訪問介護などの在宅サービス、特に重度訪問介護は、圧倒的に閉じられた環境の中で、アテンダント個人の裁量が求められる時間が長く、フィードバックしにくい為である。

だから重度訪問介護に従事するアテンダントの多くは、自分が提供するケアに不安を抱えていることが少なくない。

クライアントに対して、自分のケアはどうだったのか、誰も見ていない中で継続してサービスを行う事は、その不安を増大させる。そのような不安の中では、よいケア、よいサービスは生まれにくい。

そうなると意図的に、コミュニケーションをもつ機会を作らないといけないのだが、コロナ禍という事もあり、その多くがオンラインを使用したコミュニケーションである。

通常の情報共有であれば、それで充分であるが、オンラインでの情報共有は、仕事上の必要な話をする事が多く、これは一定の緊張感の中でのコミュニケーションであり、その内容の会話が終わればオンラインは終了となる。

しかし、本当に大事なのは「世間話や、どうでもいい話から生まれる、『安らぎや共感』」なのである。

もっというと、「心理的安全性」を感じることである。

オンラインでは、なかなかそのような環境になりにくい為、オフラインでのコミュニケーションを適度に取り入れる必要がある。

このオフライン上での世間話のポイントは、緊張感のない緩和した中でのコミュニケーションという事。

よいチームをつくる為には、その緩和した中でのコミュニケーションを共有し、「この仲間とはなんでも言い合える、安心できる環境だ」と、メンバーに感じてもらう事が、必要不可欠である。

そのような環境の中では、前述したようにチャレンジを恐れず、行動のレパートリーが増え、結果として人間の成長に繋がる事が多く、訪問介護のような閉じられた環境の中でも、アテンダントの能力を、最大限に発揮する事に寄与すると、私は考えている。

プロフィール
小川力信 ホームケア土屋 関東

埼玉県川口市在住。
基本的に寂しがりや。そのわりに一人の時間も好きという面倒な人間です。

妻と子供3人と犬2匹とワイワイ騒がしく暮らしつつ、一人でゲームしたり本を読んだりして毎日楽しく過ごしています。

趣味はキャンプで、焚火をしながらウイスキーを飲むのがたまらなく大好きな43歳です。

介護経験は高齢者支援で20年、最終的には介護老人保健施設の副施設長をしておりましたが、施設の高齢者支援の対局の位置にあるといえる在宅の障害者支援を実践したく土屋に入社。障害支援はホヤホヤの新人1年目です。

保有資格は介護福祉士とケアマネージャーの資格を持っております。

前職では高齢者支援の中でも認知症支援に注力していたこともあり、東京都の認知症介護指導者として地域の認知症啓発や認知症高齢者への支援に没頭していました。

現在は関東ブロックの東京エリアでマネージャーとして従事しています。

050-3733-3443