小売業界から介護業界へ / 荒井大樹

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小売業界から介護業界へ
荒井大樹(ホームケア土屋 習志野)

私は大学を卒業してから20年間ずっと販売の仕事をしてきました。

ショップ店員からスタートして、店長を経験し、本社勤務になってからは店舗運営統括、店舗開発、商品開発、輸入貿易、CS推進、人事など、経理以外の様々な業務を担当させていただきました。

小売業の川上から川下まで携わることができ、非常に勉強になりました。

小売業は売上がすべてですので、良くも悪くも数字で結果がわかります。

前年比・予算比の達成率で評価が決まるというシンプルな仕組みです。

しかし、長年数字と向き合っていると、数字を追いかけることに何の意味があるのかという自問自答が始まります。

ひたすら前年と戦う毎日に疲れてきます。そして私は退職しました。

まったく次を考えずに会社を辞めてしまいましたが、2ヶ月の休暇中に新たな仕事を見つけないと生きていけません。

とくにやりたいこともなく、なんとなく条件が合いそうな会社に応募したり、エージェントの紹介を受けたりしていました。

休みが長すぎて毎日が暇なので、久々に実家にゆっくり帰省しました。

そこで再会したのが91歳になった祖母でした。

しばらく会わないうちに認知症が進行し、昔のしっかりしていた祖母の姿はありませんでした。

夕食の際に祖母の食事介助を頼まれたのですが、いざやってみると横に座って人に食べさせるという行為が思いのほか難しく、これが介護なんだと少しショックを受けました。

その日の夜もスマホで求人を眺めていたのですが、その中で介護会社の求人が目に留まりました。

職種はヘルパーではなく、本社の人事でした。

これなら無資格・未経験の私でも前職の経験を生かして介護業界で働けるのではないかと思いました。

応募したところ即面接が組まれたため、急いで東京に戻り面接を受けました。

翌日には二次面接が行われ、とんとん拍子で採用が決まりました。

こうして私は何かに導かれるように介護の世界に足を踏み入れたのです。

「まずは現場を知ること」というお決まりのフレーズで、初任者研修を受けながら介護保険チームで高齢者の訪問介護に従事する日々を送りました。

結果的に私は介護の現場にハマってしまい、利用者さんと接してケアを行うことが新鮮で楽しくて仕方ありませんでした。

自分の介護技術が向上していく様が手に取るようにわかることにも達成感を感じました。

3ヶ月で事業所の管理者に抜擢され、現場に入りながらケアマネさんの対応や新規依頼の対応などをこなし、ものすごいスピードで知識も増えていきました。

元々店舗運営をやっていたので、事業所運営はそんなに苦でもなく、シフトを回すことはむしろ得意分野でした。

小売業界と介護業界は別物と考えていましたが、運営の仕組みは共通点も多く、前職の経験がかなり生きたと思います。

高齢者の訪問介護を経て、障害者の重度訪問介護に移ったわけですが、同じ介護で技術も利用者対応も全然違う難しさに直面しつつ、コンティニューとリセットを繰り返しながら重度訪問介護に対応していきました。

元来、自分の技術や知識が広がっていくことにやりがいを感じる性格ですので、苦悩しつつも楽しんでいたと思います。

転職を考えた時にはまさか介護の仕事をするなど微塵も想像しませんでしたが、今はこの仕事を選んで良かったと感じています。

売上を追いかける仕事より、社会貢献できる仕事のほうが自分にとっては充実した達成感を得られているように思います。

それが自己満足だけでなく、高齢者や障害者の方々の在宅生活を実現できる一助になっていることが何よりも嬉しいです。

これから先も介護業界に貢献できる仕事をしていきたいと思います。

プロフィール
荒井大樹 ホームケア土屋 習志野

新潟県出身。
18歳で上京し、大学卒業後はアクセサリー販売、インテリア販売と小売業を20年経験。
42歳の時に未経験で介護業界へ転職。高齢者の訪問介護を経て、重度訪問介護へ移行する。
現在は千葉県のエリアマネージャーと習志野事業所のオフィスマネージャーを兼任しながら、地域で一番信頼される事業所を目指して日々奮闘中。
趣味は一口馬主で、現在20頭の競走馬に出資している。出資馬でGIを勝つことが夢。

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