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仕事の幅 / 荒井大樹

仕事の幅
荒井大樹(ホームケア土屋 習志野)

私が介護業界に転職して最初に取得した資格が「重度訪問介護従業者養成研修 統合課程」でした(前職にて)。

介護職でも聞きなれない資格だと思いますが、ざっくり説明すると、統合課程は障害区分4~6に認定されている障害者の重度訪問介護に入るための資格で、基礎課程+追加課程+3号研修がセットになっており、喀痰吸引等の医療的ケアまで可能となります。

最短2日で取得できたため、初任者研修や実務者研修に比べて受講期間が短く、すぐに仕事を始められるのがメリットの1つだと思います。

さて、私は重度訪問介護の資格を取ったものの、入社時の配属が介護保険部門になったため、初任者研修も取得することになり、結果的に2つの資格を持ってスタートすることとなりました。

ここで初任者研修だけでなく、統合課程も持っていて良かった点として、医療的ケアが必要な高齢者の訪問介護にも対応でき、サービス提供の幅が広がったことが挙げられます。

高齢者の喀痰吸引や経管栄養に対応できる訪問介護事業所は非常に少なく、特定行為事業者の指定を申請していない、1~3号研修を持っているヘルパーがいないという理由で、サービス依頼を受けてくれる事業所を探すことに苦労しているケアマネさんは多くいらっしゃると思います。

また、重度障害の方は介護保険サービスと障害福祉サービスを併用されているケースが多く、初任者研修以上+1~3号研修を持っていると両方のサービスを通して支援が可能になります。

介護保険の時間帯はA事業所、重度訪問介護の時間帯はB事業所という区別をする必要がなく、1つの事業所、1人のヘルパーで一貫したサービス提供ができるため、利用者さんも安心して介護が受けられる状況になります。

私が重度訪問介護の資格を取って働いてみて思うことは、自身の仕事の幅が広がるということです。特に医療的ケアができることで、利用者さんが在宅生活を送れる基盤となっていることは間違いなく、同じ資格を持つヘルパーさんがもっと増えればいいなと思います。

重度訪問介護の認知が広がり、資格を持ったヘルパーが増えることで、より多くの「探し求める小さな声」に応えられる社会になることを願います。

プロフィール
荒井大樹(ホームケア土屋 習志野)

新潟県出身。
18歳で上京し、大学卒業後はアクセサリー販売、インテリア販売と小売業を20年経験。
42歳の時に未経験で介護業界へ転職。高齢者の訪問介護を経て、重度訪問介護へ移行する。
趣味は一口馬主で、現在20頭の競走馬に出資している。出資馬でGIを勝つことが夢。

050-3733-3443